良いツルと悪いツル

2018/12/17 中嶋 秀隆

 プロジェクトの成否を握るのがプロジェクト・マネジャーやチーム・メンバーであることは申すまでもない。しかし、プロジェクト・スポンサーがはるかに重大であることが少なくない。スポンサーはプロジェクトに必要な資金や資源を提供してくれる。その人の言動の良し悪しはプロジェクトに多大な影響を及ぼすからだ。
 プロジェクト・スポンサーがプロジェクトの成功要因(特にプロジェクト計画書の中味が何なのか)を理解していない場合、その人の立場に権力が付随しているだけに始末が悪い。プロジェクトの途上で、目標を勝手に変えたり、進め方に口をさしはさんだりするなど、いわゆる「ツルの一声」を発するからだ。そのたびにプロジェクト作業にリセットがかかり、方向転換が行われる。ニックネームを付けると「悪いツル」かもしれない。
 一方、プロジェクトの成功要因を理解しているスポンサーは、プロジェクト・マネジャーやチーム・メンバーに「計画を見せろ」と要求する。その根底にあるのは、プロジェクト計画書の中味がきちんとしているかだ。具体的には、作業分解の粒度やスケジュール設定は適切か、リスクの洗い出しや対策ができているか…などだ。こういうスポンサーはプロジェクトの成功要因を理解しているので、適切な問いを立てる。すると、プロジェクト・マネジャーやチーム・メンバーは、それを受けて計画書の中味をしっかり吟味することになる。そういうスポンサーは「ツルの一声」などを発することはない。「計画を見せろ」と理詰めで要求し、それが質の高い計画につながるのだ。こういうスポンサーは「良いツル」と呼んでいい。