コミュニケーション・モデル

2018/12/03 中西 全二

 PMBOKには以前から「コミュニケーション・モデル」という図が掲載されている。
(詳細はPMBOK第6版和訳版373ページを参照されたい。)
簡単に言うと、「人の話を聞くときには、聞き手自身のノイズ(聞き手の知識、経験など)が追加される。」ということである。
具体的な例としては、話し手に「『黄色のカラス』を捕まえてきて!」と言われた聞き手が、
「『黒いカラス』を捕まえてくる」ということである。 その流れは以下の通り。
  ①聞き手は「『黄色のカラス』は存在しない」と自分の知識・経験から判断し、
  ②話し手が「黒い」を「黄色」と言い間違えたと勝手に解釈し
  ③結果として、「黒いカラス」を捕まえてくる

 このようなミス・コミュニケーションが発生しないように、フィードバックが必須である。
具体的には、聞き手が話し手に「『黒いカラス』を捕まえてくるのですね?」とか、「『黄色のカラス』ですか?」と確認するということである。

 「忖度」とか「空気を読む」はうまくいったときには効率が良くなるが、うまくいかなければ、
上記のような不幸な(?)結果になりうる可能性がある。

「PMBOKを味わう」ことにより、いろいろな気づきがあり楽しい!
(注:私はPMBOKオタクではない)

蛇足:
 よくある仕様変更の小噺(?)
  ①顧客側:スポーツ大会で使用するので黄色のメダルを作ってくださいと指示する
  ②メーカー側:顧客が金色(ゴールド)のメダルを欲しいのだと思い違いし、
金色のメダルを作成する
  ③メーカー側:顧客に金色のメダルを納品する
  ④顧客側:なんで言った通りのものを作成できないのか!
         メーカー側に「金色ではなく黄色のメダルだと再度指示」
  ⑤メーカー側:仕様変更かよ(^_^;)

  クイズ:誰がどの段階でどうすれば良かったのでしょうか? (複数解あり)