相談の鉄則

2016/12/15 中嶋 秀隆

 プロジェクトには問題がつきものだ。不確実要素があることを知りながら、スケジュールや予算を作り、しかもプロジェクトの状況が刻々変わることを考えれば、問題は起きて当然といってよい。そして自分の手に負えないことは、早めにエスカレーションせよ、とプロジェクトマネジメントは教えている。

 そんなとき、未熟なメンバーがやりがちなのは、上司のところにかけよって、「たいへんです。どうしましょう」と指示を仰ぐことだ.これでは、本人の成長は期待しがたい。自分の頭では何も考えずに、解決策を考えることを上司に丸投げしているからだ。

 こうした状況で、プロは①課題の説明、②推奨案の提示、③根拠の説明、の 3 つのステップで対処する。

 まず「課題の説明」で、ことの重要性と緊急度を簡潔に伝える。次ぎにくるのが、「推奨案の提示」だ。結論を先に言うのは、ビジネスの常識である。ここで、上司の合意が得られれば、そのあとの「根拠の説明」はスキップし、推奨案を実行に移せばよい。

 上司の合意が得られなければ、判断の根拠を示して、説得する。この場合、解決策をあらかじめ 3 つ作り、それぞれにつき「長所」(Pro)と「短所」(Con) を一覧表にまとめる。

 インテルに勤務していたときには、これを要約し、 相談に来る人には“What” ではなく、”How about” で選択肢をもってくるように、と言っていた。