原因究明

2008/04/17 中 憲治

プロジェクトが順調に進んでいるとき、突然のトラブルに遭遇するときがあります。そのような時は、暫定対策を取りあえず打ちますが、トラブルの原因を究明して対策を講じなければそのトラブルは再発に見舞われる確率が多くなります。
トラブルの原因究明の方法は幾種類もありますが、それだけ原因究明は難しいことを表わしているのだと思います。先日遭遇した身近なトラブルの事例で原因究明の難しさを書いてみます。私の家には、妻が通勤に主に使用している軽自動車があります。2006年10月に初年度登録しました。この春で1年半になります。この車は、軽自動車なのに『スマートキーレスシステム』を採用しています。『スマートキーレスシステム』とは、リモートキーシステムが自動化されたようなもので、自動車キーのボタン操作をしなくても、センサーの作用で、車のドアに近づけば自動的にオープンになり、遠ざかれば自動的にロックされるというものです。
昨年の11月ごろから、『スマートキーレスシステム』が効かなくなりました。この症状は、毎朝一番に使用しようとすると、機能しないのですが、一定の走行後、車から降りるときは機能します。
その日の2度目の使用時にも機能します。しかし次の朝にはまた機能しなくなります。販売会社に問い合わせると、この『スマートキーレスシステム』には、キー側に3Vのボタン電池を使用しており、電池の電圧が低くなると(2.8V程度になると)朝の冷え込みで外気温が下がると電波が飛ばなくなり機能しなくなると返事でした。事実、3月の定期点検時にボタン電池の電圧を測定してみると2.8V程度で、電池交換した後は、『スマートキーレスシステム』は機能するようになりました。しかし、ボタン電池の電圧が原因だとすると、朝一番だけ機能しないことがわからない、ボタン電池の電圧が回復するとも思えません。
この疑問を重ねて尋ねると、それは気温が上がるからでしょうとの返事でした。しかし、比較的外気温が高い日(10度位の3月の朝)でも『スマートキーレスシステム』が働くなることがあったことから考えると、この説明も納得がいきません。このトラブルの真の原因は何か?この続きは5月のエッセイに書きますので、読者の皆さんも考えてみてください。