時空を超える

2008/04/04 香月 秀文

今年の春の選抜高校野球は沖縄の高校と埼玉の高校が決勝戦で戦っています。テクノロジーの発達が従来のパラダイムを変えた例かといえます。インターネットの発達が産業界のパラダイムを変えたように、テクノロジーの発達が、従来は不利といわれた地域のハンディキャップを変えていったようです。30年ぐらい前までは北海道の高校や沖縄の高校が優勝したり、ベスト8やベスト4に進出することは考えられませんでした。

時空という単位の空(GEOGRAPHIC)の不利を克服した例といえます。企業の賞味期限は5年とセス・ゴーディンはいっていますが、企業が変革しながら生き残っていくためには自分の持っているパラダイムをあえて崩すという勇気が必要なのかもしれません。これをシュンペーターは創造的破壊といっています。

組織の発展にはイノベーションが不可欠
「脱皮できない蛇は死ぬ」内外の新市場の開拓や組織の発展が、不断に古きものを破壊し、新しきものを創造する。たえず内部から経済構造を革命化する産業の突然変異の過程こそが、まさに資本主義の本質

仏教でいう時空という概念は人間がもっともパラダイムを構成する基本的な要素といえます。時という概念のパラダイム・シフトが初期のCVSの出現や年功序列人事制度の崩壊ということになります。昔は「亀の甲より年の劫」と長年の経験を貴ぶことが人事制度の基本でしたが近年はトップマネジメントを選出するのに順送り人事は返って見られなくなりました。年齢と実力が連動してこなくなりました。日本においてパラダイム・シフトの成功例は世界的に珍しい幕末から明治維新にかけての変革といえます。日本人はもともとパラダイム・シフトについては得意といえます。ゴールド・ラット博士がゴールの本を出した時に日本語の翻訳を長い間止めていたというのはそのことに気づいていたのかもしれません。