人芯経営論 ・・・論語とプロジェクト⑥

2013/05/21 浅見 淳一

「湯島聖堂」に、行ったことがありますか?JR 御茶ノ水駅のフォームから神田川を挟んで、すぐ向かいに見える、木々に囲まれたお寺のような建物が見える場所です。
湯島聖堂は、1630 年に林羅山が上野に立てた塾から始まり、1690 年に徳川綱吉によってここに移されました。その後、昌平坂学問所となりました。昌平とは孔子の生まれた村の名前からとっています。「儒学」を教える場所という意味です。当時の官学の中心となった場所です。
湯島聖堂には、中国から贈られた約5 メートルの世界最大の孔子象があります。大成殿の中には、孔子象のほか弟子たちの像も安置されています。土日は一般公開されています。御茶ノ水駅と神田明神の中間にあります。お参りの時に訪れてみてはいかがでしょうか。論語は、江戸時代には、一般教養でしたから聴いたことのある格言や名言が沢山あります。今月は論語が 元になっている四文字熟語をご紹介します。

今月の論語
[四文熟語] 切磋琢磨
[漢文] 子貢曰、詩云、「如切如磋如琢如磨」其斯之謂興・・学而篇
[読み] 子貢曰わく、詩に云う、切するが如く磋(さ)するが如く、琢(たく)するが如く磨(ま)するが如しとは、其(そ)れ斯(こ)れを謂(い)うか。・・学至篇
[意訳] 子貢が孔子に質問しました、「詩経で、象牙などを切ってみがく、石などを砕いてみがくように 、自分を磨く(貧しくても学ぶことを楽しみ、豊かでも礼儀正しい)と言っているのはこの事なのですか?」
[四文熟語] 温故知新
[漢文] 子曰、温故而知新、可以為師矣・・為政篇
[読み] 子曰く「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れば、以て師たるべし」
[意訳] 昔の物事を研究し吟味して、そこから新しい知識や見解を得ることを、先生とすればよい。
[四文熟語] 巧言令色
[漢文] 子曰、巧言令色鮮矣仁・・学而篇・陽貨篇
[読み] 子曰く、「巧言(こうげん)令色(れいしょく)鮮(すくな)し仁(じん)」
[意訳] 口先がうまく、人の顔色をうかがい、こびへつらう人に、誠実な人はほとんどいない。

論語には同じこの言葉が 2 回でてきます。よほど巧言令色の人で痛い目にあっているのではないでしょうか。

<余談>
先月の映画は「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」でした。今月は観たのは「シュガーマン奇跡に愛された男」です。どちらもミュージシャンのドキュメンタリーのサクセスストーリでした。「ジャーニー」は、ロックバンド、ジャーニーの新ボーカリストとして YOU TUBE の映像がきっかけに、40 歳でアメリカン・ドリームを掴んだアーネル・ピネダの話。「シュガーマン」はアルバムを 2 枚出しただけでアメリカでは無名のまま音楽史から消えた歌手なのに、南アフリカでは有名なシクスト・ロドリゲスの消息を追う推理小説のような話です
どちらの映画も奇跡のような話です。実話だから説得力があります。人生は素晴らしいと思えます。二人とも 今では成功しています。アーネルは、お金持ちになっていますが、プレッシャーの中で生活しています。ロド リゲスは、無名な時と同じ質素な生活をして、平和な気持ちで暮らしています。二本を見比べてみるのも面 白いと思います。前でしたら、ロドリゲスのアルバムをすぐ買っていましたが、今はYouTube で聞けます。CD が売れなくなるはずです。「シュガーマン」とは「麻薬の売人」のスラングです。映画の成功で、ロドリゲスは、アメリカやイギリスのコンサートも決まっています。もし、日本でコンサートがあれば、絶対に見に行きます。