PMI EMEA 大会から

2013/05/15 中嶋 秀隆

PMI EMEA (欧州・中東・アジア) の年次大会はイスタンブールの繁華街タクシムに近い stanbul Congress

Center を会場に、4 月 22 日から 3 日間行われた。参加者は 68 カ国より 852 人とのこと。日本からも 10 人ほどが参加。今回の大会プレゼンテーションのなかで、日本が他の国々から見ていかにユニークな存在であるかを再認識した。

ある発表では、発表者が「該当する方に悪意はありませんが」と前置きして、古い日本映画(白黒)の一場面を映し出した。品のよさそうな日本人家族(全員が大人で、若かりし高倉健の顔も見える)がちゃぶ台に向かって美味しそうにざる蕎麦を食べている。若い外国人カップル(白人)も同席し、一緒に蕎麦を食べている。外国人カップルはどちらも日本人が蕎麦をすする音に戸惑う。やがて「郷に入っては、郷に従え」とばかり、外国人男性が、自分の音を立てて蕎麦をすすろうとする。 ところが、口に入れた蕎麦が多すぎて、いくらすすっても切れない。やっとのことでそれを飲み込むと、業を煮やして、ちゃぶ台の上茶碗に盛ったご飯に自分の箸を直角に箸を突き刺した。

それを見た日本人は、全員がのけぞる。すると1人の日本人が1「もっと、ちゃんと教えろ」と叫ぶ。聴衆はなにが問題なのかはわかりにくかったようなので、日本人が麺類を食べるときのマナーと、ご飯に箸を突き刺すのことの意味を説明した。

別のセッションで、日本の道の大半に名前が付けられていないことが話題となった。ある人がそのことを日本人に訪ねると、住居や建物に所番地がついており、所番地のない空間に過ぎない、と説明されたという。さらに、所番地の番号の付け方も全くランダムで理解に苦しむと強調していた。ここに日本人はいるか、と聞かれたので、手をあげる。道に名前が付けられていないことで、不便はないか、と聞かれたので、システムがユニークなのは確かだが、不便はないと答えた。ただ、丁目の下の番地の付け方は、全くランダムなのではなく、1,2,3…と順になってい ることを説明し、「小さな訂正」と追加した。

これまた別のセッションで、日本の皇室の 3 つの秘宝(Three Secrets of Japanese Royal Family)として、三種の神器が紹介された。それぞれ次の意味があるという。
① 鏡(やたのかがみ):自分の姿をよく見て、周りを正しく判断するための基礎になる。
② 刀(あめのむらぎものつるぎ):権力者が人を罰することができる。
③ 宝物(やさかのまがたま):権力者が人に恩恵を配分する原資であり、それにより人を正しく導ける。
三種の神器は日本では神話のこと世界であり、ビジネス現場で意識されることはほとんどいないのではなかろうか。それが、プロジェクトマネジメントの国際大会で、それぞれの意味(解釈)とともに紹介されることに、新鮮な驚きを覚えた。

夜は初日、2 日めとも PMI トルコがイベントを主催してくれた。初日は“ボスフォラス・クルーズ”、2 日めは“トルコ料理の夕食会”。そのどちらにも参加した。
締めの基調講演では、南アの女性登山家(ヒマラヤを南北両側から踏破した唯一の女性)が登山活動でのチームの大切さを説いてくれた。最後にトルコの主催者が終了を宣言し、お礼を各国語で述べるスライドを示し、来年、ドバイで会おうのメッセージで締める。
緑の多い日本から直行便でイスタンブールに着いたからだろうが、街は埃っぽい印象を受けた。街は丘がちで坂道が多く、道路が無秩序に広がった感じである。そのため、日中の交通渋滞はかなりのものだ。

東京、マドリッドとともに 2020 年のオリンピック誘致をめざしており、市中にはその看板も見られる。

以上