人芯経営論 ・・・目標の設定

2010/05/19 浅見 淳一

目標達成のために向かって計画すること、スキルや知識を高めることは大切ですが、それはパソコンでいえばアプリケーションに当たります。パソコンのOSに当たるものは、自分自身の考え方やセルフイメージです。目標管理の手法やスキル・知識はアプリケーションですから、何に対して使っていくのかが重要です。ドラッカーは「間違った目標に対して、正しい方法を使っても、正しい目的地にはたどり着けない」と言っています。

◎目標と夢 年収1000万円を目指す。事業を立ち上げて成功する。ことも一つの目標には違いありません。でも、一度、自分自身に聞いてみて欲しい質問があります。「それって、本当にやりたいこと」「本当にそれって自分の夢」です。 人は、自分自身の考えだと思っていても、周囲から何回も言われているうちに価値のあるものと思い込んだり、回りの期待を自分の夢だと思い込んだり、自分で考えずに、世の中の既成概念や常識をそのまま受入れたりします。「優秀な学校に入って、大企業に入る」「お金持ちになって贅沢な暮らしをする」などはよく聞く話です。でも仮にお金持ちになっても、やりがいのないつらい仕事を、馬車馬のように働いて実現することが、実現したい本当の夢や目標になるのでしょうか。新卒研修で若い人と話すと「夢がありません」という発言を聞くことが有ります。しかし、私は夢のない人はいないと信じています。「今のあなたの状況わ自分自身で点数をつけるとすると何点になりますか?」それでは「3年後の自分は何点になりたいですか?」とたずねた時に、3年後の点数を低く言う人に出会ったことがありません。人は誰でも、常に未来は今よりも良い自分でありたい夢があるということです。しかし、潜在意識ではそう思っていても、多くの場合、周りの評価や意見や環境に実現したい夢を押しつぶされ見失ってしまいます。 夢という言葉を、私は「もしそれが実現したらと想像したら、心がワクワクして、時間がたつもの気がつかない」ものと定義しています。具体的な夢が浮かばない人は、これから私の言うことを試してみてください。

①まず横になって深呼吸をしてリラックスしてください
②目をつぶって、晴れた日に草の上で横になっている自分の姿を頭の中に描いてください
③どこからか神様の声が聞こえてきます「どんなことでも、1つだけ願いをかなえてあげます。
なりたい自分の姿を思い描いてみなさい」

この質問で浮かんだ姿が、多分あなたの夢である可能性が高いはずです。神様が願いをかなえてくれるのですから、自分の生まれも能力も財産も性別も年齢も容姿も、そして体重も関係ありません。神様の前では何も制約にはなりません。こんな方法を使って自分の夢をセルフチェックしてみてはいかがでしょうか。夢は、寝てみる夢のように、個人的なあなただけのものです。前にテレビで体の不自由な子供たちのドキュメントを見ました。夢を聞かれた時に、目の見えない子の夢は「一度でいいから青空を見てみたい。綺麗だって聞いているから」耳の聞こえない子の夢は「両親の声を聞いてみたい」と言っていました。二人ともとても明るい子供たちでした。それを聞いた時に、自分では当たり前に感じていることが、夢になるのだと感じました。本当に大切なものは、太陽や空気や水や日々の生活なのに、人はついそれを忘れて、お金や宝石や贅沢な生活を求めます。当たり前だと思っているものの中にしか幸せはないかも知れないのに。

<余談1>
今月の映画は、「アリス・イン・ワンダーランド」を見ました。子供のころのことを忘れて大人になったアリスが、周囲から気の進まない結婚を勧められて迷っている中、また不思議の国に落ちてしまいます。そこで大活躍しますが、残ることを選ばずに、元の世界に戻ります。そして船に乗り中国との貿易を始めるなど自立への道を進みます。人は悩みやつらいことがあると、全てをリセットして、別の世界に逃避したくなります。でも、今いる場所にしか、解決策も、やるべきことも、かなえるべき夢もありませんね。

<余談2>
自宅のそばの寄席に「三遊亭円楽襲名披露」を見に行きました。たまに落語を聞きに行くことはありますが、仕事柄つい話し方や間が気になってしまいます。その日の円楽さんは「道具屋」?の話をしました。聞いているうちにぐんぐん引き込まれて、感動して泣きそうになりました。まさか落語に感動するとは思いもよりませんでした。一発で円楽さんのファンになりました。これも想定外です。芸が持つ圧倒的な力を感じました。世の中は広いです (自分が狭いだけかも知れませんが) 。襲名披露の口上である落語家さんが、面白い事を言っていました。「難しいことを優しく、優しいことを深く」

<余談3>
たまたま知り合った方(と言っても一回会って2分ぐらいお話をして名刺交換しただけです)が、わざわざ私に本「新版・転生と地球/選択可能な未来 高木善之 PHP研究所」を郵送してくれました。面白かったです。感謝です。第一部が筆者の臨死体験についてです。1981年の臨死体験の時に、1991年ソ連の崩壊、2001年のアメリカの崩壊、2021年の世界の崩壊を見たそうです。 第二部が地球環境の危機についてです。地球の46億年の歴史を1年にすると12月31日の14:30に人類が誕生し、新年の11分前にホモサピエンスが出現し1.4秒前に産業革命になるそうです。そのわずかの時間に人類は、地球を壊滅的に破壊していることなどが分かりやすく書かれています。それを防ぐための提案もされています。でも最も大切なことは、まず自分からと筆者の自筆でサインとともに書かれてありました。最後のページにアメリカ先住民の言い伝えが紹介されていました。「まさに世界が滅びんとする時に、世界各地に虹の戦士が現れて、誰の命令でもなく、自分の意思で、世界を救うために戦う」それは何時のことなのでしょうか。