人芯経営論 ・・・トラブルでやってはいけない 4 つの行動

2012/04/13 浅見 淳一

プロジェクトの定義に「独自性」と「有期性」があります。初めてのことを定められた期間で行うことを意味しています。当然、通常業務よりリスクも多くトラブルの発生確率も高くなります。トラブルが発生した時にしてはならない行動が 4 つあります。

①なにもしない
トラブルが発生しても、そのうち収まる、何とかなると判断して何も対策を実行しない。実際にプロジェクトが火を噴いているのに、自然鎮火するなどという幸運なことはまずおきません。多くの場合、時間の経過とともに火は手が付けられないほど大きく広がります。

②人のせいにする
トラブルが起きた時に、日本人がしがちなことは、責任追及だといわれています。「誰々のせいで起きた」「お前のせいだ」など人を責めてもトラブルは解決しません。必要なのは、さらにトラブルをひどくしないための対策と、今後に同じトラブルを発生させないようにするための原因追究です。

③恥の上塗りをする
トラブルを隠すために、さらに予算や人を投入して、傷口をさらに大きくする。企業の赤字隠しの問題などはまさにこの例です。トラブルを引き起こしている原因をそのままにして、うまくいっていないことが、なんとかうまくいくと考える思考が不思議です。

④白(しら)を切る
トラブルを「知らなかった」「私の管理範囲ではない」「他の人が勝手にやったことだ」などの責任回避の姿勢です。残念ながら、テレビで流れる政治家や経営者の発言では、普通になってしまっています。子供たちへの教育のためにも避けてほしい姿勢です。
4 つとも当たり前の避けるべき行動・発言です。そんな馬鹿なことはしないと考えることは簡単ですが、現実を見るとごく当たり前の光景になっています。プロジェクトのトラブルでやってはならない 4 つの行動ですか、生き方、全てにも当てはまります。

<余談 1>
用事で新橋に行った時に、JT 会場でコンサートがあったので飛び込みで見ました。「SAXOPHONE QUARTET 桜」女性 4 人のグループが出演していました。クラッシックはよく分かりませんが、リラックスできました。ちょっとリッチな気分のひと時でした。素晴らしい演奏は、長時間の厳しい練習によって生み出された成果だと感じました。
<余談 2>
4/6 に Oracle OpenWorld Tokyo 2012 に参加してきました。展示会場では、オラクル社員犬のキャンディになめられました。超かわいいです。一番の目的は「日本の潜在力を世界に-星野リゾートの挑戦」で星野佳路社長の講演を聞くことでした。星野リゾートは仕事そのものがプロジェクトだと思っています。何か参考になればと思い聞きに行きました。私は旅館などの観光産業は斜陽産業とのイメージを持っていましたが、・売り上げは好不況などにほとんど影響されずに安定している。・将来的には海外からの観光客を増やすことも可能であり成長産業である。とのプレゼンを聞き認識が変わりました。積極的で前向きな考え方があれば、どのような環境も、プラスに変えることができます。リゾートの運営に特化している会社であり、旅館ごとに魅力を出すことを考えています。一泊 5 万円の部屋にはテレビを置いていないとのことです。最初はクレームもあったが今ではテレビのないことがストレスフリーになり、喜ばれているとの説明は印象に残りました。顧客のニーズに応えるという考え方では、商品に差がなくなりコモディティ化(汎用化)してしまいます。ウォークマンや携帯電話も顧客のニーズ分析からは生まれてきません。これからの企業の発展には、コンセプト力や独創性が鍵になると感じました。そういう点ではガラパゴス化も一つの戦略です。