プレゼンテーションのコツ その22

2012/03/28 村松 かすみ

第22回目は、
『話し方で与える印象は変わる』についてご紹介します。
あなたの話し方は、相手にどんな印象を与えていますか?
あなたは、自分が人前で話している様子をビデオで録画してみたことがありますか?

私が実施しているスピーチやプレゼン講座では、ビデオ録画をすることがあります。そして、録画したものをその場で再生し、本人と一緒に確認をし、フィードバックします。「ぜんぜんできてない。」「緊張しすぎて、ぎこちない。」「何が言いたいのか、わからない。」という感想が多くを占めます。客観的に自分の姿を見て、皆さん手厳しい評価をします。自分に対してプラスのコメントをする人は少数派です。私もそうです。できれば、自分が話している姿は見たくありません。これは、自分の理想とする姿と現状のギャップを目の当たりにしたくない、からでしょうか。

“話し方で与える印象が変わる”話し方のコツについて3つ紹介します。

1.伝える順番は伝わる順番に:プレゼンの場合、伝える順番は、スライドの順番になります。スライドの骨格ができていれば、問題ありません。しかし、いつもスライドが用意できる環境にあるとは限りません。急にスライド無しで、ということになっても、慌てることがないようにしましょう。構成は次のようになります。

まずは、話の全体像をははじめに伝えます。
例えば、
■件名:「本日の内容は、職場のコミュニケーション向上についてです。」
●全体像(結論):「内容は、週1回の定例会議の提案です。」
ここまででが“全体像”です。

部分:本日お話をする内容は3つあります。
①コミュニケーション不足からの課題
②定例会議を週1回開催することの利点
③定例会議を行うためのコストとスケジュールについてです。
では、具体的に①から、ご説明いたします。

といった具合に、①から③までの説明をするのが“部分”です。
③までの説明が終わったら、最後にまとめましょう。
「以上、ここまで述べてきたことを要約させていただきますと、
①は、コミュニケーション不足からの課題は・・・
②は、定例会議を週1回開催することの利点は・・・
③は、定例会議を行うためのコストとスケジュールは・・・

ということで「職場のコミュニケーションの向上のために、週1回の定例会の開催をご承認願います。」「何かご質問ありますでしょうか?」といった流れになります。このような話の流れが“伝える順番は伝わる順番に”構成することで話の見通しを立ててあげることになり、相手に与える印象が変わります。

2.センテンスを短く:これは、プレゼンだけでなくスピーチにおいても同様です。読点(、)ではなく句点(。)を意識して話しましょう。話のわかりにくい人は、 「センテンスが長い」傾向があります。例えば、「○○ですけれども・・・」「○○でして・・・」「○○とか・・・」といった接続詞を使って読点で言葉を結んでしまうのです。プレゼンでは、専門用語や業界用語も出てきますので、内容をより複雑にしてしまいます。しかし、センテンスを短くすることをプレゼン本番で意識するのは大変です。プレゼン中は、「今回の伝えたいポイント」「聞き手の反応は?」「残り時間は?」など、意識を向けるべきところがあるからです。

練習法はカンタンです。日常会話の中で意識しましょう。上司や同僚、お客様やプライベートで話す時に、センテンスを短くするよ
うに意識しましょう。日常の話し方が変われば、話し方の印象を変えることができます。

3.クッション言葉を使う:
クッション言葉というのは、言葉をやさしく包み込む役目を果してくれます。2階からガラスのコップをそのまま落とすとコップは割れてしまいます。今度は、ガラスのコップにクッション素材のものでカバーをして落とします。すると、コップは割れません。よく挙げられる例ですが、この話のようにクッション言葉は、あなたの印象をやさしく包み込む役目をしてくれます。

クッション言葉としてまずは、語尾に「~か」を使いましょう。

例えば、
・「~の件、お願いできませんか」
・「ご参加いただけませんか」
・「同意いただけませんでしょうか」
といった具合です。直接的に「お願いします」「参加してください」「同意してください」と言っても問題はないのですが、「~か」を使うことによって、カンタンに印象を変えることができるのです。
プレゼンの場合、話し手の印象がやわらかいと、その場の空気もやわらかい(穏やかな)雰囲気になります。

ここまでに、紹介した話し方の3つのコツを意識することで、”あなたの話し方で与える印象が変わる”ことでしょう。