プレゼンテーションのコツ その18

2011/10/18 村松 かすみ

第18回目は、
『巧妙なアイコンタクトのしかた』についてご紹介します。
歌舞伎では「見得を切る」という場面があります。
役者が感情の昴りなどを表現する際、一瞬動きを静止し、ポーズをつくる演出です。
これがきまると芝居がグッと引き立ちます。
プレゼンテーションにおいて、「見得」にあたるものは、「アイコンタクト」です。
説明の際に、アイコンタクトがきまると説得力が増します。
ここでは、プレゼンテーションの時に、アイコンタクトをきめるコツを2つ紹介します。

① いつも1対1
「聴衆」という人はいません。
聴衆という塊で捉えるのではなく、一人ひとりが集まって聴衆と呼ばれるだけだということを再認識しましょう。
1対1で話す時、あなたは相手の目を見て話していませんか?
プレゼンテーションでも同じことを実行するだけです。
それが「苦手」という方は、顔全体をやんわり見ることにチャレンジしてみてください。これは、プレゼンテーションの場面だけでなく、1対1のコミュニケーション、ネゴシエーションの場面でも大切なことです。
話をする時に、あなたの目を見ないで話す人のことをあなたは信頼できますか?

② ワンセンテンス・ワンパーソン
アイコンタクトをとっている一人に一つの文章(ワンセンテンス)を言いきります。
それが、ワンセンテンス・ワンパーソンです。
ワンセンテンス話す間、あなたが、相手に視線を留めることで説得力を高めることができます。

ただ、プレゼンテーションの最中に“センテンスを短く”と意識するのは大変です。
本番中は、「内容が理解されているか?」「興味を持ってくれているか?」「時間配分は大丈夫か?」・・・等、気にかけることがたくさんあります。
ではどうするか?それは、日常会話の時にセンテンスを短くすることを意識します。
それも、気がついた時だけで大丈夫です。
それを続けることで、日常的に“センテンスが短い”話し方になり、プレゼンテーションの際、ワンセンテンス・ワンパーソンを実践し易くなります。

私が新人講師の頃、「ぬいぐるみ」を相手と見立てて練習をしました。
ぬいぐるみをリビングテーブルの椅子に座らせて、アイコンタクトをとり、「○○さん、いかがでしょうか?」と会話をイメージして練習したものです。

「ぬいぐるみ」でなくても構いません。
今後、あなたが誰かと話す時、視線を留めることを意識しましょう。
あなたもアイコンタクトをきめて、プレゼンをグッと引き立たせる演出をしませんか。