お客様は神様です

2007/10/09 香月 秀文

お客様は神様です。という言葉がありますが、どうもこれはビジネスをきちんと表現していないようです。マーケティングの基本的な質問に
「なぜ顧客はわたしたちの製品を購入し、使用してくれているのか?」があります。これは自社の競合優位性を明らかにする一歩と言えます。この時お客様の側から見た自社の姿を捉える視点を提供することになります。お客様を神様として崇めることは、一見尊敬しているように見えますが、子供をスポイルするのと同じで、神様のように棚上げして絶対的に服従することにより、自社のアイデンテティをつぶすことになります。これはお客様を大切な個の人格として捉えるのではなく、どうせ訳のわからない子供として扱うことになり、最終的には真の関係を構築することはできません。CRMの目標であるお客様との絆をつくることと逆になります。本当のお客様との関係は
GIVE&TAKEのイコールの関係が正しく、その方が結果的に双方にとってWIN-WINの関係を築くことになります。やはりお客様とはPARTNERSHIPの関係を作り上げることが正しいビジネスの姿と思われます。
Jリーグで成功している浦和レッズの例をとると「お客様はわたしたちの理解者であり、厳しいサポーターです」というところでしょうか。もし浦和レッズの監督、選手、フロントが「お客様は神様です」と思っていたら、現在の浦和レッズは出来なかったような気がします。
お客様に感謝することは大切ですが、盲信することは危険です。