PM研修後の述懐

2018/04/15 中嶋 秀隆

 プロジェクトマネジメントの研修をしていると、受講者からストレートなコメントをいただく。その中で印象的なものを3つほど紹介しよう。

1)「ガント・チャートができると、ひと安心できる」
 プロジェクトを引き受けた瞬間、頭が真っ白になり、途方に暮れるという人が少なくない。プロジェクトが何を目指すのか、具体的はどんな作業をするのか、それらをいつするのかは…こうした疑問に答えられないからだ。その一つひとつを明らかにし、プロジェクトの全体像を絵解き(マッピング)するのは、ガント・チャートがちょうどよい。ガント・チャートには、やるべき作業がすべてリストアップされ、それぞれの開始・終了の時期(そして、フロート)が明記されるからである。

2)「リスク・マネジメントをすると、枕を高くして眠られる」
  リスク・マネジメントの要点は、すべてのリスク要因を想定し、対策は重点的に打つということだ。プロジェクトでは計画立案から、実行・コントロールのフェーズまで、何が起こるかはわからない。そのすべてを想定しつつ、重要なものに絞り込んで、あらかじめ対策を講じておく。そうすることで、人事を尽くして天命を待つ、という心境に至る。これをあるベテランPMが「枕を高くして眠られる」と言っている。

3)「PM研修のおかげで、本来の仕事に集中できる」
 ベテラン管理職のコメントだ。PM研修の結果、チーム・メンバーのスキルが上がり、プロジェクトを回してくれるようになった。その結果、この管理職は自分の本来の仕事に集中できるようになったという。彼・彼女は、その前までは、チーム・メンバーと一緒になって、消化作業に取り組んでいた。しかし今や、部門のビジョンの設定や将来像の検討などが仕事の主体となったということであある。このコメントは、PM研修を提供するものとしては、ありがたく、嬉しいものである。