21世紀の常識:アンテナは多く

2009/03/13 中 憲治

「アンテナは高く」会社勤めの頃、セミナーの講師からよく聞かされた言葉です。
でもこれは、今になると20世紀の常識だったのではないかと思えます。アンテナを高くしておく必要があるのは、電話が弱いとき、電波の発信基地から遠く離れているとき。昔は、テレビ塔から離れている地域では、屋根の上に高いアンテナを建てておかないとテレビは見えにくかったのです。
テレビの電波だけ考えても、アナログ地上波、アナログ衛星波、デジタル地上波、デジタル衛星波、・・・それぞれにアンテナが必要です。私たちの情報に対する対応もこれと同じではないのでしょうか。「アンテナは高く」の意味は勿論、物理的に高いアンテナを建てておけという意味ではありません。高いアンテナで、情報の受信感度を高めておけという意味です。
しかし、現在では情報はあまりに多種多様です。いかに受信感度を高めていても、種々雑多の情報の全てを受信して、その中から必要なものを選択していくことは至難の業です。
高いアンテナに替わるものは、多くのアンテナです。一人でアンテナを多く持つのも至難の業ですが、情報感度の鋭いアンテナを持っている人のネットワークを持つことは可能です。21世紀の常識は、「多くのアンテナ・ネットワークを持て」と言えます。