負荷の集中が原因?

2014/04/03 中 憲治

4 月 1 日から消費税が8%にあがった。4 月 2 日の朝刊各紙は消費税改定に伴う各企業の増税初日の混乱を報じていた。その中の一つ、N紙の記事によると主に関東地区に展開するスーパーマーケットI社で 「税率引き上げに伴うシステム更新でトラブルが発生、全135店のうち、午前11時時点で開店出来たのは31店にとどまった」と報じている。

記事では続けて、「システムを担当するF社の子会社の担当者が気付いたのは午前3時。全店の価格データーを段階的に変更する作業が滞り、店ごとのデーター変更を余儀なくされた」結果と報じている。 同じ記事で、F社社長のこの件に対するコメントとして「(データー更新の)負荷が集中したことが原因だと思う」と報じている。

この記事では、3月31日夜~4月1日朝にかけて、税率改定の作業が集中的に行われ、その他の企業でも幾つものトラブルが発生したことも報じているが、 システム更新の改訂作業が集中し、サーバーの輻輳によりトラブルが発生することは過去にも発生事例があり、容易に想定できることであり、各社もそれを想定して対策をとっていたと思われる。 しかし、トラブルを発生させてしまった企業は、いわゆる想定を超えた事態に遭遇した(好意的に言えば)のか、あるいはリスク発生の可能性を楽観的に見ていた(甘く見ていた)と想定される。 2011年3月11日以降、日本では想定外と言えば全てが免責される文化を確立してしまったとも思える。そのような風潮の中では、この程度のトラブルは許容されるかもしれない。 しかし、強調しておきたいのはサーバーへの負荷の集中の問題ではなく、負荷の集中が人に生じても看過されている事である。プロジェクトの計画立案過程で、プロジェクトメンバーの一人ひとりの負荷まで考慮した計画を考えている事例はどの程度あるのだろうか、多くは想定もしていないのではないか。

計画立案している場合はまだましで、計画もなく作業に突入していくプロジェクトにおいては言わずもながである。