往路時間計算と復路時間計算

2014/04/04 村松 かすみ

プロジェクトのスケジュール作成の手法である「往路時間計算と復路時間計算」についてご紹介します。

プロジェクトのスケジュール作成は、各アクティビティ(Activity:プロジェクトの過程において実行する作業の一要素)に対して、 アクティビティの順序、所要期間、資源に対する要求事項、スケジュールの制約条件等を分析し、プロジェクト・スケジュールを作成するプロセスです。『出典:PMBOKR ガイド第 4 版、2008 年』スケジュール作成をする際のツールとして「クリティカルパス法」があります。クリティカルパス(Critical Path)とは、 プロジェクトの開始から終了までで、最も長い時間を要する経路、およびその時間。フロート(余裕時間)のない経路、最重要の経路のことです。

スケジュールにおいて、フロートがゼロの作業がクリティカルパスとなるため、クリティカルパスにある作業が遅れるとプロジェクト全体が遅れることになります。

経路ごとの所要期間を算出する手法として、往路時間計算と復路時間計算があります。往路時間計算(フォワード・パス Forward Pass)とは、 各作業の最も早く開始できる時期、および最も早く終了できる時期を明らかにするために、開始から終了に向かって行う分析)のことです。 復路時間計算(バックワード・パスBackward Pass)とは、各作業の最も遅く開始できるスケジュールおよび最も遅く終了できるスケジュールを明らかにするために終了から開始に向かって行う分析のことです。

往路時間計算と復路時間計算を行なうことのメリットとしては、アクティビティのフロートがゼロの場合、その作業はクリティパス上の作業であることがわかると同時に、 アクティビティにフロートがある場合、具体的にどのくらいのフロートがある作業であるのかが把握できることです。