神様の贈り物(ポジティブ・リスク)

2020/08/19 中西 全二

 今回は、最近、私が神様の贈り物としてとらえたポジティブ・リスクについて述べることにする。
 はじめに言葉を定義する。リスクとは「発生が不確実な事象または状態」のことであり、ポジティブ・リスクとはプラスに働くリスクのことである。PMBOKでは「好機」と訳されている。ちなみに、マイナスに働くリスクはネガティブ・リスク、脅威と呼ばれている。例えば、所要期間は10日間と見積もっていた作業が、たまたま想定より能力の高い担当者が割り当てられ、8日間で完了すると、ポジティブ・リスクが発生したという。逆に、想定以下の能力の担当者が割り当てられ、15日間で完了すると、ネガティブ・リスクが発生したという。ここでは、想定能力に対してのリスクを述べている。

 さて、今回の話題である「神様の贈り物(ポジティブ・リスク)」とは、新型コロナの影響で、予定されていた業務がキャンセルされ、突然、自由な時間が与えられたということを指している。もちろん、これがポジティブ・リスクであるというのは私個人の捉え方である。私は、たまたま自由になったこの時間を利用して、日米のいくつかのPMBOKの講義動画を鑑賞(?)した。説明者によって解釈が異なり、とても気づきが多かったが、これは別の機会に取り上げることにする。

 私は、ポジティブ・リスクは「神様の贈り物」、ネガティブ・リスクは「何かを変えるチャンス到来」ととらえている。(脳天気主義者である!)
リスクのない世の中は、すべてが計画通りであり、退屈かもしれない!

蛇足:
 「予定されていた業務がキャンセル」という状況は、ネガティブ・リスクと捉えることもできるだろう。なぜなら、その分の報酬がなくなるからである。結局のところ、どうとらえるかはそのひと次第である。