官僚たちの夏

2009/08/12 香月 秀文

日曜日は直江兼続のドラマの後、城山三郎の「官僚たちの夏」をみるのが日課になっています。高校の同級生が事務次官までなりましたので身近に感じてみています。彼は高校時代は確かに成績が良くストーレートで東大法学部に入り官僚になりましたが、お酒は強く居酒屋で飲むというタイプはドラマと同じですがどちらかといえば物静かでドラマの主人公とは違うタイプでしたので次官までなったときのニュースを見た時は驚きました。一流会社で社長をしていた友人に聞いたら部下からは非常に慕われているというコメントでした。この人も酒が強く偉くなるのはお酒が強いというのが条件かと思いました。しかしこれは団塊の世代に適用される条件です。
ビジネス・パーソンに人気のある作家で「太郎・次郎・三郎」という言葉がありました。私も大勢に流される方ですので三郎・太郎・次郎の順番に入りました。

司馬 遼太郎
新田 次郎
城山 三郎

で最初に読んでファンになったのは「坂の上の雲」
「八甲田山」
「落日燃ゆ」

だったかと思います。
「官僚たちの夏」に戻りますと、当時の日本を支えたのは優秀で、使命感をもった官僚だったかと思います。このときには日本の官僚システムと日本の発展状況がうまくマッチしていたようです。その結果奇跡的な日本の復活を実現させたことは他の国から見ても不思議な国と映ったと思われます。しかし50年以上の時がたってパラダイムの変化が発生したために上手く機能しなくなったのが現在の状況です。ビジネスで必要とされる経営論でいえば50年も同じ理論が適用されことはあまりありませんが行政の世界ではパラダイムを変えるのに相当の時間とエネルギーが必要なようです。
2009年のキーワードは崖(クリフ)のようです。企業の再生・変革においてもSenseofUrgencyがV字回復の原動力になります。松下改革やアサヒビールの復活も崖っぷちに立っているという認識がそのスタートといえます。この認識がないと知らないうちに崖から落ちてしまいます。ビジネスにおいても自分たちのポジショニング(立ち位置)を正確に把握することが再生の第一歩になります。日本は製品の輸出で世界的な地位を築きましたが今度は中国やインドやロシヤなどに優秀な官僚とそのシステムを輸出すれば需要と供給のバランスが合い日本の知的財産が上手く活用され輸入国の発展に寄与できそうです。日本はその指導料収入を得ることができます。これはモノの輸出から知恵の輸出になりちょうどルー・ガースナーのもとIBMがコンピュータのメーカーからビジネス・ソリューションの提供企業に変革していったのと重なるようです。
このような時代のもっとも有効な資源は「創意工夫」という日本語かと思われます。確かに創意工夫を続ける企業は環境の変化に遭遇しても見事に生き残っているようです。マンモスは絶滅しても人類が生き残って繁栄を続けているのは神が人間に与えた「創意工夫」というウェポンにあるのかもしれません。