人芯経営論 ・・・言葉のニュアンス

2014/06/30 浅見 淳一

知り合いのコミュニケーション系の講師から教わった話です。ちょっとした助詞「てにをは」の違いで、 会話の意味が全く違ってしまう例です。面白かったので、ご紹介します。
まずは、下の文のカッコ()の中に言葉を入れてみてください。場面は、恋人同士の男性が女性にかける言葉を想像してください。
1. 「君( )いい」
2. 「人間( )、顔じゃないよ」



考えてくださいね。



入れましたか?



それでは、教えてもらった内容です。
1-A. 「君( が )いい」
1-B. 「君( でも )いい」
どうですか? 1-B の言葉を使ったら、けんかになることは必至ですよね。でも、わりとこのような表現を普段、私たちはしています。たとえば「ラーメンでもいい」とか「何でもいい」とか「どっちでもいい」

それじゃあ 2 番目は
2-A. 「人間( は )顔じゃない」
2-B. 「人間( の )顔じゃない」
2-B の言葉を言ったら、破局は必至ですよね。2 番は笑い話ですが、ちょっとした言葉の違いで、意味やニュアンスが大きく変わってしまいます。

最近の若者の会話は、「うそーーー」「まじぃ」「ありえない」など単語で、多くの意味を持たせています。日本人の言葉に対する感性が衰えている気がしています。
昔の日本人は、今の日本人より、ずっと言葉に対する感性や感受性が豊かでした。たとえば百人一首の日本語は、言葉もリズムもとても美しいです。 一例ですが、絶世の美女と伝えられている小野小町が、年を取り容貌が衰えてきたときに、はかない思いをうたった歌があります。

「花の色は、うつりにけりな、いたずらに、わが身世にふる、ながめせしまに」
ご興味ある方は、詳しい意味をネットでお調べください。すごい時代ですね。