人芯経営論 ・・・守破離

2014/10/31 浅見 淳一

月刊誌「致知」8 月号に坂東玉三郎さんの記事が載っていました。その記事を読んで玉三郎さんの舞台を見たくなり、 10 月は、昼の部と夜の部を歌舞伎座に見に行きました。主役ではありませんでしたが、圧巻の存在感と気品を放っていました。 多くの観客を魅了していました。歌舞伎というと、私の中ではマイナーなイベントのイメージでしたが、いつ行ってもほぼ満席です。 メジャーなイベントだと再認識しました。

「守破離」とは、一般的には、芸事などの進化のプロセスを表現しています。
①「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階
②「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階
③「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階
今風に表現すれば
① 模倣 (Copy )
② 改良 (Improvement)
③ 独創 (Original)
になります。このプロセスは、武道や芸事だけでなく、勉強、仕事、事業、 スポーツなど全ての活動の発展プロセスとして共通です。

PM や営業の相談を受ける時に、よく聞く言葉に「わが社独自のものにしたい」があります。 これを聞くと僕はつい「基礎(ベース、標準)がなくて、どうやって、独自のものを作るのですか?」 と聞いてしまいます。(未熟な発言です) 前職でERPやグループウェアの仕事に関わっていた時に、SAPやソフトウェアの営業の人がよく 「日本の企業はすぐ、わが社独自のものを」と言うと嘆いていたことを思い出します。その当時は、「そんなものか」と思っていましたが、今は実感としてよく理解できます。「人は、たとえ本や話などでいくら学んだとしても、所詮、自分で経験したこと以外は、真に理解できない」存在だと知ります。