人芯経営論 ・・・会議の仕方

2012/07/15 浅見 淳一

外国の人から「日本の会議は長い」と言われたことがあります。私も組織にいた時に、会議ばかりしている、何のための会議かわからない、会議をしても何も決まらないという経験はたくさんしてきました。日本の会議で、一番効率的な会議は、大相撲の「物言いの会議」だといわれています。
・意見のある人が、挙手をして問題を提議する
・判断する人たちが土俵上に集まって、立ったまま話し合う
・審判員の人が各々自分の意見を簡潔に述べる
・ビデオを見て、確認する
・そのうえで、審判長が判断して決断する
・出された結論には全員従う
・観客にアナウンスして知らせる

実に手際よく会議が進められています。それに比べると野球の抗議は延々と行われます。迅速な意思決定は企業の存続に影響します。効率的な会議の手法を学ぶ必要があります。

① 会議の目的を明確にする
ひとくくりに会議と言いますが、目的から分類する主に3種類に分かれます。問題解決、意思決定、報告連絡になります。会議の目的を明確にすることは、会議の必要性の確認になります。目的によって、アイデアを出すのか、結論を出すのか、情報共有をするのか、話し合う点は違います。
② 会議の事前準備
会議に集まってから考え始めるのは非効率です。あらかじめ出席者には、開催通知で会議の趣旨を伝えておきます。準備物があれば依頼しておく。出席者のリストと役割の確認を伝えるなどを行います
③ 会議のアジェンダを作成する
アジェンダとは議事進行表です。会議でちゃんとしたアジェンダを作成しているケースはそれほど多く見かけません。アジェンダには会議の趣旨と達成したい成果を表現します。成果は、明確な方向性と効果測定ができること、達成度の判断ができることが必要です。アジェンダで示す項目は、今回の議題、日時・場所・時間、前回の議事録と持越した内容、連絡事項、会議の進行のタイムスケジュールです。
④ 会議はアジェンダに沿って進める
会議の開催は、予定通り初めて予定通りに進め予定通りに終えます。会議の間は、話題がそれないように意識し、目的に集中します、そのために議長とタイムキーバーと書記の役割を決めておくことは効率的な会議のためには有効です。タイムキーパはスケジュールの時間に沿って管理します。会議が終了した時に大切なことは、会議が始まる前の目的が達成されていることです。
⑤ フォローアップ作業
議事録を作成して必要な人に配布します。議事録には、次回への持ち越し、次回までの確認事項、次回までの活動内容、次回の予定の連絡なども含めます。

<余談 1>
7/3 に友人と、聖路加国際病院理事長の日野原重明先生の講演を聞きました。ご存知の方も多いと思いますが、日野原先生は今年 100 歳になられます。失礼な話ですが貴重な機会を逃さないとの思いで参加しました。正直本当に驚きました。ほぼ一時間立ちっぱなしで、はっきりした声と内容で話されていました。いろいろな話をされていましたが、8 年後に学校の開設する準備をしている。10 年後に米国のジョン万次郎記念館の周りをサクラで飾る活動しているなどお話を伺い、人はいくつになってもこんな風に生きることができるのだと感じました。あんなに大きく白く輝く綺麗なオーラを放っている人を初めて見ました。 終わりに質疑応答の時間がありました。時間の関係で 3 人でした。最後は 12 歳の少年の質問でした。その質問は、私の生涯で一番感動した質問です。
「日野原先生は、僕たち子供達に、将来どのような国を作ってほしいと思っていますか」でした。今の私と比べても魂のレベルが違いすきます。こんな子供が一人でもいる限り、日本は絶対に大丈夫だと確信しました。前に何かの本でクリスタルチャイルドと言われている次元の高い子供たちが、世界中に生まれてきていると読んだことを思い出しました。子供たちの為に少しでも良い世の中を残す責任と義務が大人たちにあります。

日野原先生も昔の子供はそんな質問はしなかったと驚いておられました。先生の答えは「世界中の人たちと、助け合って協力して平和な世界を作ってください」でした。100 歳と 12 歳の不思議な会話でした。友人と感動を共有しながら帰りました。