人芯経営論 ・・・リーダーシップ考(1)

2009/11/16 浅見 淳一

企業では、「リーダーシップ研修」や「マネジメント研修」が、数多く実施されています。リーダーとマネジメントが時として同一視され、区別が不明確なまま実施されていることが見受けられます。様々な定義がありますが、私が考える違いをご紹介いたします。

リーダーとマネジャーの違い
力の源泉(基盤)・・・リーダーは個人の人間的魅力 マネジャーは組織の階層の権限
主なミッション・・・リーダーは組織の変革 マネジャーは組織目標の達成
イメージされる言葉・・・リーダーは挑戦 マネジャーは管理
注視する対象・・・リーダーは人(メンバー) マネジャーは組織
必要な資質・・・リーダーは志マネジャーは利益指向
示すもの・・・リーダーは目指すべきビジョンや夢 マネジャーは現実的な目標や数値
方向付ける力・・・リーダーは遠心力 マネジャーは求心力
評価する主体・・・リーダーは周りの人 マネジャーは組織の評価者

大別すると以上の違いがあります。もちろん、きれいに二分されるものでもありませんし、個人の中に、色々な要素が混同しています。組織ではそれぞれの要素が求められています。マネジャーは、目標が明確なものに対しての達成度合いを問われ、理性や論理的な判断が大きく影響を与え、組織への適合性が重視されます。リーダーは、未知のもの、理想への取り組みを促進するので、感性や感情的な表現が大きく影響を与え、時として組織の期待とは違う行動になることがあります。研修でマネジメント能力を高めること対して、リーダーシップ能力を高めることが難しく感じるのは、人間的な要素が強いからです。下記の話題は、今月のテーマとも繋がります。

<余談>
私は毎月1日の映画の日には、出来るだけ心に残る映画を見ようと意識しています。最近は殆ど日本映画になります。今月は「沈まぬ太陽」を見ました。渡辺健さんが演じた主役は、強烈なリーダーシップを持ち、仲間やお客様のことを第一に考えて行動しますが、時としてそれが、会社の利益重視の価値観や上司の自己保身と反することにより、懲罰的な処遇を受けます。それでも最後まで信念を貫きとおす強さは、尊敬と清清しさを感じます。社会人として色々な経験された人ほど感じることが多いと思います。映画を見た後「面白い映画」「感動的な映画」など様々な感想を持ちますが、今回は「立派な映画」でした。3時間以上があっという間でした。お時間ある経験豊富な社会人の方は是非ご覧ください。