人芯経営論 ・・・マーケティングにおける「マスメディアの力」

2009/07/15 浅見 淳一

広告宣伝で、見せ方を変えることで大ヒットした商品のことを知りました。ちょっと前に大ヒットした、ブートキャンプのDVDです。この商品を取り扱った通販会社は、最初の会社ではなく、3社目の会社だったそうです。前の2社のときは、殆ど話題になりませんでしたが、“楽にやせられる”というコンセプトから、「努力が必要ですが、効果は大きいです」という内容にCMを大きく変えたところ、大ヒットしました。昔、マーケティング調査を学んだ時に、心理学的手法を少し調べたことがあります。幾つか、印象に残っているものがあります。古い記憶ですので間違いはお許しください。

心理学的広告手法
サブリミナル効果…代表的な例は、映画のフィルムのコマの中に、見ている人が分からないように、ワンカットのコカコーラやポップコーンの画像を入れることにより、商品の売上げを増やした話が有名です。本人が意識しないうちに欲望がコントロールされてしまいます。オーム教事件の時には、テレビで使用されたと問題になりました。

繰り返し効果…
アメリカのマーケティング会社が、同じCMを何回みると、購買意欲が高まるかを調査したことがあります。結果は確か7回以上続けてみると高まるそうです。この手法を利用したものは、通販などのテレビショッピングではないでしょうか。最初はなんとも思わなくても、同じものを見続けることで欲しくなります。情報の露出の量によって、個人の中で、情報の重要性が高くなるということでもあります。ニュースの重要度の判断が、メディアにでる、時間や回数やスペースに影響されやすい、のも近い話です。

噂の効果…
似たような調査で、人は、同じ話を何人から聞くと、信用するかを調べたことがあります。3人から、同じ話を聞くと、話の信用度が高まるようです。テレビの映画のCMで、観客が何人も、「良かった。感動した」と感想だけを言うCMは、その効果を利用しているのではないでしょうか。口コミの効果とも言えます。
中国の古い寓話で、似たような話を聞いたことがあります。「田舎に、親孝行な息子と母親が住んでいました。息子は家族の為に遠くの都会に出稼ぎに行きました。しばらくして、村に来た旅人が、『息子が、都会で悪いことをした。』と告げましたが、信用しませんでした。その後、別の旅人が、同じことを言いましたが、『そんなはずが無い。』と取り合いませんでした。3人目の旅人が同じ事を言った時に、信じてしまったそうです。もちろん息子は、そんなことはしていません。という内容です。
ネット社会が進み、多くの人が、一方的に情報の受け手という受身の立場から、疑問をもてば、調べ、正しいかどうかは別にしても自分で主体的に判断することが出来る時代になりました。伝えたいと思った情報を、発信する送り手の立場にもなれます。広告宣伝のおける、口コミ、ネットの重要性が増しています。情報の送り手側のモラルも、問われています。不正の情報が、すぐにネット上に流れ、事業継続の大きなリスクに繋がることを意識する必要がある時代になってきています。