人芯経営論・・・マーケティングとしての「デザイン力」

2009/06/15 浅見 淳一

最近、テレビも新聞もあまり見ない人が増えているようです。私の友人の2人も同じです。1人は「テレビが家に無い」と聞いて驚きました。見ない理由は「必要もないノイズが多いから」と言っていました。確かに同じ話題をこれでもかと流すニュースを見ていると、納得できます。そういえば、マスコミをマスゴミと揶揄している表現も時々見かけます。私は、テレビをつけていても、音を消して見ている事が増えました。意識して見るのは、「カンブリア宮殿」「がっちりマンデー」(起きていたら)、漫画の「ワンピース」「知っとこ!の中の(こどものみかた)」「美の巨人たち」ぐらいです。
デザインの持つ力
5月18日の「カンブリア宮殿」のゲストは、工業デザイナーの川崎和男さんでした。今回のアメリカの副大統領候補のサラ・ペイリンの眼鏡をデザインしたことで有名です。
番組の中では、眼鏡だけでなく、福井の刃物のデザインで、斜陽産業を再生させたり、家具のデザインを手がけ、売上げを驚異的に伸ばした実績が紹介されていました。

前回は、マーケティングについて書きました。物が売れる大きな要素として、価格や性能や広告はすぐに思いつきますが、「デザイン」の影響力は、認識の中にありませんでした。今回改めてデザインの力を認識しました。デザインは、徹底的に使う人のことを考えて創る利他的な作業だと感じました。CSマインドそのものです。
性能や価格の差別化が難しい環境ですから、デザインの持つ力が、これから益々大きくなっていくのではと思いましたが、川崎さんは「最近の日本企業の経営者は、デザインに対する位置づけが下がってきて、心配だ」と発言していました。
川崎和男さんは、若い時に、車の事故で、車椅子が必要な体になってしまいました。安達巌さんという画家を知りました。子供の頃の電気事故で、両手を失い、生きるために口で絵を描く画家になったそうです。心が洗われる絵でした。機会があれば是非直接、見てみたいと思っています。
http://www.mfpa.co.jp/shoukai/adachi/main01.html

全盲のピアニスト辻井伸行さんの国際ピアノコンクールでの金メダルのニュースが流れています。CDすごく売れているようです。
http://www.nobupiano1988.com/

お父様のコメント「これで1人でも食べていけるかな」に親の深い愛を感じます。
映画『西の魔女が死んだ』の、「人の体は、魂が成長するための器」と言う台詞。稲盛和夫さんの著書「働き方」の「神様が応援したくなるほどの努力」の文を思い出しました。
ご本人たちにはご迷惑な話でしょうが、勇気をもらえました。どんなにハンデがあっても、強い信念とあきらめないで努力すること、正しい考え方があれば、素晴らしいことが成し遂げられる、ことが信じられます。感謝です。行いが結果に繋がる。そういう意味では神様は、間違いなく公平です。
テレビやニュースも選択さえすれば、心に感じるもの、学べるものもありますね。