レジリエンス・マッスルと 5 本の柱

2013/12/13 中嶋 秀隆

ポジティブ心理学のわが国の第一人者・久世浩司氏のセミナー「レジリエンス(逆境力)」に参加し、多くの示唆を受けることができた。なかでも、逆境を乗り越える力を「レジリエンス・マッスル」と呼び、7つの要素を挙げているのは、非常に興味深い。具体的には次の7つだ。

1) Active: 身体活動による気晴らしで、ネガティブ感情の反芻を防止する。
2) Calming: リラックス法により、ネガティブ感情を緩和する。
3) Thinking: 歪んだ思い込みを発見し、ネガティブ感情の根本に対処する。
4) Optimism: 困難に直面しても最後にはうまくいくという楽観性。
5) Social Support: 逆境時に叱咤激励してくれ、心の支えとなる応援団。
6) Strength: 逆境から再起し、乗り越えるための強み。
7) Meaning: 逆境体験からの教訓化。

私も昨年刊行した『再起する力』のなかで、レジリエンスの 5 本の柱として「健康でいる」「問題をさばく」「自己を保つ」「成長を続ける」「災いを福となす」の5つを論じた(出典は米国・レジリエンス・センター)。
「レジリエンス・マッスル」の7要素とレジリエンスの5 本の柱を比べると、Active と「健康でいる」や、Thinkingと「自己を保つ」など、重なるといってよい部分があるが。しかし、「問題をさばく」のように、観点が異なり、重ならないものもあるようだ。
若い学問であるポジティブ心理学の一分野であるレジリエンスが、これからどんな発展をし、人類に貢献していくか、大いに期待したい。

以上