プレゼンテーションのコツ その11

2010/07/12 村松 かすみ

第11回目は、『あがりとの付き合い方を学ぶ①』についてご紹介します。

「あがり」の要因の1つは、「あらかじめ目指していた目標」と「本番を迎えた現状」とのギャップに焦点を当て、そのギャップを意識してしまうことで「あがり」を感じてしまうことです。
「十分に準備ができていない。」と足りない部分に焦点を当ててしまうと、マイナスに意識が引っぱられ、プレゼンはうまくいきません。「あがり」との付き合い方のポイントは、焦点をポジティブなところに向けることです。「現時点(準備できたところまで)での100%を出し切る。」ところに意識を向けるのです。たとえ80%しか準備ができていないとしても、残り20%にとらわれないことです。そして、「緊張 イコール= マイナス」だと思わないでください。人前に立つとき、ある程度の緊張が、“いい緊張感”となって、あなたの味方になってくれます。
ある脳の専門家は、「人間は、ある程度の緊張がある方が、その人の最大の力を発揮することができる。」と話されていました。
あなたもプレゼン本番で最大の力が引き出されるよう、「あがり」と上手に付き合ってみませんか?

次に私が実践している中から1つ紹介します。

1.その場を楽しむ
相手に伝わりやすくするには、「(あなたが)伝える内容」と「(あなたの)表情」がイコールになることです。真剣な内容であれば、真剣な表情で、楽しい話題の時には、楽しそうな表情で・・・ということです。
それには、プレゼンテーションの場を“楽しむ”という気持ちで臨むことをおすすめします。プレゼンターである、あなたが、しかめっ面で話をしていると場の空気が張り詰めたようになります。
プレゼンターの表情が、やわらかければ、場の空気もやわらかくなります。
今回のプレゼンのために、あなたが準備してきたことを信じて、「楽しもう!」という心構えで臨んでください。楽しむからには、表情が大切です。
表情をやわらかくするイメージは、親指と人差し指をつけて輪をつくり、そのまま頬にあて(頬にたこ焼きを作るといった感じ)、頬を持ち上げ、手を離しても頬が上げたままの状態を保つこと(イメージ)です。
もう一つは、口角を上げることです。いま携帯のカメラで、あなたの顔を撮影してください。次は、口角を上げることを意識して撮影してください。撮影した2枚の画像を見比べましょう。ずいぶん印象が違いませんか?顔の表情は、頬と口角が上がると印象が変わります。
慣れてきたら次は“目”が笑うかどうかです。実はこの“目”が一番重要です。「プレゼンの場を楽しんでますよ」という、あなたの気持ちを“目”であらわすには、プレゼンの瞬間(瞬間に)、目の前にいる人たちに心から気持ちを向けなければなりません。
私が教育・研修会社に入って先輩に教えていただいた中で印象的だったのは、「目で人の話を聞きなさい。」という言葉でした。はじめは「どうやって?」と悩みましたが、今では「目の前の人たちに全身全霊を傾けることによって、伝わるものがある」と実感しています。
あなたのそんな姿勢を相手に届けるために、プレゼンの場を楽しんでみませんか。
やわらかい表情がつくれれば、真剣な表情や楽しい表情等、自然に出せるようになります。結果として、相手に伝わりやすくなります。