オプティミストのための小事典(その 1)

2016/01/12 中嶋 秀隆

フランスに『楽天家用小事典』があると朝日新聞の「天声人語」が何度か紹介している。例として、「約束」とは「選挙のときにつかわれる小銭」であるとのこと。残念ながら、日本語には訳されていないらしい。そこで、今回から、古い原著(1950 年)に当たりつつ、面白い定義を訳出してみたい。原著の出版から半世紀以上が経過しており、日仏の文化には大きな隔たりがあることから、ストレートな翻訳が無意味であることもあるかもしてない。そんなときには、私の超訳(脚色)が入ることをあらかじめ申し上げておこう。では、E の項目から。


Eau(水)極めて役に立つ液体。シャンパングラスやワインボトル、ビールのジョッキ、日本酒の猪口などの洗浄に用いられる。
Echeance (支払い期日) 神の存在を疑う人々が、神の存在を思い知る日。
Eclectisme (見識の広さ) アルカン(イタリアの道化役者)が着る極彩色の菱形模様の衣装より美しい衣装はないと考える人の了見。Ecole (学校) 知的肥育の事業、
Economic dirigee (経済政策) 一時的不況を恒久的危機に転換させる方策。
Economie politique (経済学) 仮説の楽園。
Electeur (選挙の有権者) 投票用紙を片手に、夢見る主権者。
Empiriste (経験主義者) 港に入る最短の航路が直線とは限らないことをわきまえている、水先案内人。
Entete (頑固者) ロバが飼い葉桶に愛着をもつのと同様、自説に愛着をもつ人。
Entrante (幕間の休憩) 幕間の休憩が観客にもつ意味は、学校の休み時間が小学生にもつ意味と同じである。
(次回に続きます)