「1億ドルのアドバイス」再考

2006/07/14 中嶋 秀隆

『コンクリンの成功哲学』(三笠書房)に次のような話が書いてある。
あるコンサルタントが、チャールズ・シュワブ(ベツレヘム・スティー社長)に言った。「明日あなたがしなければ
ならないことのうちで最も重要なものを6つ書いてください」
シュワブが書き終わると、コンサルタントはさらに、「今書いた項目の大事なほうから番号をつけてください」と言った。シュワッブは言われるとおりにした。
「明日になったら、その紙のいちばん重要な仕事から初めてください。その仕事を途中でやめないよううに。それから2番目、3番目、4番目、5番目をやってください。6つ全部をやり終えなくても心配することはありません。つねにいちばん大切な仕事をしているわけですから。…毎日このやり方でやってください。やりたいだけこの方法でやってみて、効果があったと感じた分だけ小切手を送ってくだされば結構です
数週間後、シュワッブははコンサルタントに、2万5千ドルの小切手とこのやり方が今まで学んだ方法の中でもっとも効果があったと感謝する手紙を送った。この方法のおかげで、同社は5年間に1億ドルも儲けたとのことである。

この話をPMの「3大制約条件」に当てはめで考えると、面白い。@「時間」が「1日の勤務時間」、A「資源」が「投入するヒト・モノ・カネ」、B「スコープ」が「やるべきことを、6つに絞り、優先順位をつけて、その順にやる」ということになる。
時間と資源の制約を考慮すれば、やるべきことの6という数字がゼロ・ベースのラインである。仮に7つ目があったとしても、それはやらないと決める、ということえあろう。中でも興味深いのは、コンサルタントの「6つ全部をやり終えなるても心配することはありません。つねにいちばん大切な仕事をしているわけですから」というアドバイスだ。
昨今注目されている、「プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント」にも通じる見識と考えられる。