「のぞみN700系・・・・枠組みの功罪」

2008/11/17 中 憲治

10月某日(金)新幹線で名古屋に向かう。土曜日のC大学院での講義にそなえ前泊入りのため。15時の新大阪行きの望みを14番線で待とうとプラットフォームに上がると、すでに15線には15時10分発の「のぞみ(N700系)」が入線していた。程なく15番線のN700系はドアが開いて入れることになったので、躊躇なく10分遅いこれに乗車することにした。自由席なので、3号車から1号車を利用することになるが、一番近い3号車の窓側に席を取った。座って程なく斜め後ろの3列席に、祖父、母親、息子の3人家族と思しき人達が席を占めた。母親が「この車タバコ臭いわ」と言うと、祖父と思われる男が『3号車だから喫煙席だ!2号車に変わるか』と言っている。N700系は昨年7月に東海道新幹線に投入された時、全席禁煙車で、喫煙ルームを設けていることで話題になった。喫煙席であった車両が途中から禁煙席に変わったのとはわけが違う。タバコ臭いわけがないのに?と不思議な気持ちでこの会話を聞いていた。

しかし、このようなことは誰にでも、どこでもありそうな話であることも事実である。

新幹線の自由席の3号車は喫煙席との知識が一旦身につくと、その枠組みを崩すことは大変困難なことなのだ。

枠組みは物事を認識する上で重要な役割を果たすが、一旦強い枠組みが形成されるとこれを崩すことは難しいようだ。