ある雑誌から資生堂のメガブランド戦略について、解説を依頼された時に、最初に浮かんだ言葉が「選択と集中」でした。
GEやCANONで有名になった考え方ですが、汎用性の高い真理かと思います。様々な顧客の要望に応えているうちに、多くのトップ企業は戦線が拡大し明確な姿が見えなくなる。自分では正しい方向に進んでいるつもりでも、5年、10 年たつとズレが生じてしまう。
セス・ゴーディンが言っているように、企業の賞味期限は5年と一致する。資生堂は優秀な会社ですが、その優秀な会社でも10年たつと活力が減退してくる。新社長の就任と同時にメガブランド戦略を展開し、消費者から明確に見える資生堂になることは大切なことです。ビジネスのキーワードとして、Clearという言葉があります。
欧米人もClearとい言葉が好きで 特にCrystal Clearという言葉を使います。
これを別の言い方をすると Less is more とも言えるかと思います。アメリカの化粧品会社の部長になったとき、最初に社長から言い渡されたのは この言葉でした。意味はKISS(Keep it simple& short)と同じですが、さすがに化粧品会社らしくお洒落な表現と思います。
ビジネスにおいては、やるべき事を実行する事よりも、やるべきでない事を実行しない事がむずかしいようです。
エッセイ
選択と集中
2006/07/04 香月 秀文