人芯経営論 ・・・イノベーション

2015/03/31 浅見 淳一

先日、トヨタ自動車の副社長 加藤光久氏の講演「トヨタが描くモビリティの未来」を聴きました。主なプレゼン内容は、以下の 3 点でした。
① 水素をエネルギーとして発電する燃料電池自動車(FCV)MIRAI
② 事故ゼロを目指した自動運転システム
③ 人との共生を目指した「パートナー・ロボット」
①②は想像できますが、ロボットにまで進出しているとは思いませんでした。考えてみれば、 自動運転のテクノロジィは、人工知能(AI)のソフトウェアですから、ロボットへの応用も可能です。

トヨタ自動車でまず思いつくのは、「カイゼン」『ジャストインタイム』などの生産システムです 。しかし、高品質な自動車を、競争力のある価格で作ることができることだけで、 トヨタが素晴らしい会社でいられる理由でないこと分かりました。
トヨタが素晴らしい会社であり続けられる理由の一つは、自らイノベーションを起こせること。 挑戦し続け変化を生み出し、創造的な会社であろうとすること。その社内文化、社風にあると強く感じました。
市場では素晴らしい会社があっという間に衰退していく例がいくつもあります。 それらの会社の多くは、イノベーションする活力を失っているように見えます。
スティーブン・ジョブズが、アップルから追放された時に、「コンピューター産業は今 「開拓者」たちの手から「管理者」たちの手へ渡ろうとしている。現状を維持し、 ソコソコの未来を育てようとしている人々の手に移ろうとしている。」と言っています。その後、アップルは倒産寸前まで業績が悪化しました。
ダーウィンの言葉に「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである。」があります。有名な言葉ですが「種の起源」 の中には、そんな言葉はないという説もあります。しかし、普遍的な真理を含んでいるから広く流布しているのでしょう。
科学技術、テクノロジィの進歩は、ますます加速度的に早くなっています。時代の変化も急流の水のようです 。組織でも個人でも、イノベーションし続けることが、生き残るための必要条件になってきているように感じています。

<余談>
今回で私のプラネットのエッセィは最後になります。もし、読んでいてくれた方がいたら御礼申し上げます。
ありがとうございました。