「おかし味」の光

2015/08/21 中嶋 秀隆

 プロジェクトマネジメントのコストや所要期間の見積りの手法に、 「三点見積もり」がある。楽観値(optimistic)、悲観値 (pessimistic)、最可能値 (most likely) の 3 つによるものだ。この 3 つを現在の現象についての見方に置き換えると、 それぞれ、肯定主義 (positivism)、否定主義 (negativism)、現実主義(realism) に当たる。 だが、別次元の光のあて方もある。そのひとつが「おかし味」という光であり、ユーモア感覚(sense of humor)である。
 夏目漱石の『猫』や『坊ちゃんは』どちらもユーモア感覚に溢れる楽しい読み物であるし、 「おかし味」を見つけることが好きという作家・庄野潤三は「黒山の人だかり」を 「人山の黒だかり」と言い間違えたという長女のエピソードを楽し気に紹介している。
目の前の現象にやや距離を置き、「おかし味」という観点で物事を見ることで、 普段気づかないことに気づくかもしれない。それは、「多くの人々がさしたる感動もなく 過ごしている平穏な日々をことさら貴重なものとして」(中村明『笑いのセンス』) 捉えることにつながるかもしれない。
グローバル環境の進展による外国語の必要性関して、何語が必要かという問にこんな答もあった。 「確かに英語は大切でしょう。フランス語やドイツも…。でも、もっと大切なのは落語じゃないでしょうか」 (桂文珍師匠)。
そういえば、堀口大学であったか。酒を飲むべきタイミングに 4 つあると言っていた。
1) よき友人に会ったら飲むべし。
2) よい酒が手に入ったら飲むべし。
3) 喉が乾いたら飲むべし。
4) 喉が乾きそうになったら飲むべし。
5) その他、いかなる理由でも飲むべし。

以上