楽観主義———適度な「いい加減さ」

2015/08/21 中嶋 秀隆

「まあ、何とかなるだろう」———この言葉が示す適度な「いい加減さ」が、楽観主義の底にある。
 楽観主義というと、すべてのことをよい方に考えて心配しないこと、と定義される(『岩波国語辞典』)が、QCD の三大制約条件を引き受けて行うプロジェクトでは、心配の種は尽きない。プロジェクの将来に何が起きるかを正確に予見することは、 神ならぬ人間にはできない相談である。まして、将来に障害やリスクに全く遭遇しないと考えるのは、根拠のない希望的観測に過ぎない。
 将来にはよい出来事も起きるし、悪い出来事も起きる。そして、いずれの場合でも、その出来事に適切に対処することで、 よい結果に結びつく。そして、プロジェクトで遭遇する出来事に対処するには、次の 5 つのステップを奨めたい。

1) ポジティブでオープンな気持ち・姿勢を保つ。
2) 現実の出来事を冷静に(感謝とともに)受け止める。
3) 論理的に、明晰に思考する。
4) 失敗を恐れず、リスクをとってチャレンジする。
5) 自信をもって、成功するまで続ける。
 プロジェクトに常にいいことばかりが続くと考えるのは、現実を無視している。プロジェクトでは難しい局面もあれば、 思いもよらない出来事にも遭遇する。しかし、何が起こっても、最後は必ずよい結果に結びつく、「何とかなるだろう」とハラをくくって取り組むことが、プロジェクト成功の要諦であり、楽観主義の中心である。

以上