再びリスクマネジメントの話題

2008/03/14 中 憲治

リスクマネジメントについての身近な話題で考えてみます。わたしの温泉は大好きです。地方に仕事で出かけるときも、時間の余裕が有れば、仕事が終わった後、近くの温泉に泊まることを趣味としています。昨年の暮れにも神戸の仕事が終わった後、時間が取れたので淡路島に行ってみたくて鳴門の渦潮に近い南淡路島の温泉地のホテルに泊まりました。温泉の付いた観光ホテルは、多くの場合は大浴場[温泉]があり、宿泊者はこれを利用します。以前からこのようなホテルでの遭遇する不愉快なことは、大浴場から出るとき履いてきたスリッパを間違えられることです。他人の履いたスリッパは水虫の危険性があるからですが、そのようなことを全く考えることもなく、平気で他人のスリッパを履いて帰る客が大変多いことは事実です。このホテルでもこのような客のクレームが多かったことを考慮して、ある対策を打っていました。部屋に入るとラベルが用意されており、「スリッパに部屋番号と名前を書いて、スリッパに張ってください」とのことでした。
私は、これは考えているなと感じで、早速ラベルに名前を書いてスリッパに張って大浴場に行きました。大浴場から出るとき、ラベルの効果のほどを期待しつつスリッパをおいたところに行きましたが、ものの見事私の部屋番号・名前入りのラベルを貼ったスリッパはどこにも見当たりませんでした。スリッパを間違えられるリスクに対応する予防対策は機能しなかったのです。リスクはそもそも認知できない人には、どの様な対策も無意味であると再認識させられて落ち込む私の目に飛び込んできたのは、予備のスリッパでした。予備のスリッパ「消毒済みです、ご自由にお使いください」とのメッセージとともに数個のスリッパが用意されていました。

このホテルでは、ラベルという予防対策の効果性に自信がなく、発生時対策を事前に用意していたようです。このホテルのリスクマネジメントレベルは高いのかなと思わせる出来事でした。