人芯経営論 ・・・論語とプロジェクト②

2013/02/18 浅見 淳一

先月に続いて今月も論語について書きます。出版の準備は少しずつですが進んでいます。

私もそうでしたが、論語について名前は知っているけれど、具体的にあまり知らない人がほとんどだと思いま す。ちなみに論語はどれぐらいの分量があるとお思いでしょうか。私は百科事典(最近は死語ですよね)のような分厚い本が何冊もあると思っていました。実は、論語の構成は、漢字で書かれたたった 499 の短文(章句)が全てです。それが 20 編に分かれています。

文字数で 13,700 です。せいぜい 300 ページぐらいの本です。なーんだって感じではないでしょうか。読もうと思えば案外簡単に読めます。紙が発明されたのは西暦 105 年ごろの中国だと言われています。孔子様は紀元前 551-479 年の人です。論語は死後にまとまれられました。当時文字はおもに木簡や竹簡と呼ばれる木や竹に書いていました。短い

漢文になったのもやむを得ないことです。

今月の論語
子曰わく、暴虎馮河(ぼうこひょうが)、死して悔(くい)なき者は、吾與(とも)にせざるなり。必ずや事に臨(のぞ)みて懼(おそ)れ、謀(はんりごと)を好みて成さん者なり。

弟子の「大軍を率いる時には誰と仕事をしたいですか」の質問時の答えです。意味は「虎と素手で闘ったり、 大河を徒歩で渡ったりするような無謀な者と私は一緒に仕事をしない。事を行う時には慎重になり計画を綿密に考え成果を出す者と仕事をしたい」です。謀は「計画」の意味です。
プロジェクトマネジメントでも計画は重要です。日本の諺にも「段取り八分に、実行二分」があります。しかし 計画の重要性は現代の日本では軽視されているように感じています。

学びて思わざれば、すなわち罔(くら)し。思いて学ばざれば、すなわち殆(あやう)し。

意味は「知識だけで考えることをしなければ上手くいかない、考えるだけで知識がなければ危なっかしい。」 です。仕事は知識と思索のバランスが大切です。ソフトバンクの孫社長は「日本の教育は暗記と考えることのバラ ンスが 2 対 8 になっています。私は逆にしたほうがいいと思います」とテレビで発言しています。
インターネットの発達で、知識の価値が下がっています。どんな知識の価値もせいぜい 200 円とも言われています。どんなこともネットで簡単に調べられます。前は何か調べようと思えば、図書館に行ったり本を買ったりどこかに学びに行ったりして、多くの時間がかかりました。時間を金額に換算したら何万円にもなります。プロジェクトは、PM や技術の知識は必要ですが、一番必要なものは創造性です。初めて行う部分がある仕 事ですから、想像して創造する必要があります。論理的な思考プロセスやスキームを学ぶことは第一歩にな ります。そこから工夫をすることです。

<余談 1>
今月は映画の日に都合がつかなくて行けませんでしたが、友人が「中村文昭さんの講演」を招待してくれました。ウェディングビジネスなどのほかに引き籠り支援もされています。2 時間しゃべり続けでした。笑いありほろっとするところありで楽しかったです、年間 300 回以上講演されています。ユーチューブでも聞くことができます。毎月なにかイベントを入れないと物足りないので、嬉しかったです。友人に感謝です。

<付録> 今月のおすすめ本・・・「あした死ぬかもよ?」ひすいこたろう 著友人にも薦めています。勇気が出ますよ。泣けますよ。