人芯経営論 ・・・詩書礼楽

2013/12/26 浅見 淳一

最近あまり聞かなくなった言葉の一つに「教養」があります。ネットの辞書によると、①教え育てること ②幅広い知識、精神修養などを通して得られる心の豊かさ ③広い文化的な知識、それによって養われた品位。とあります。
論語では、「詩書礼楽」を孔子は弟子に教えています。詩とは詩経などの文学、書とは歴史書、礼は祭祀や礼儀作法、楽は音楽です。それらを身に付けるのが教養とされています。孔子は、琴の名手であり音楽にも詳しい人でした。弟子の子路は、琴など楽器が苦手で、そのため他の弟子から軽くみられることがありました。
西暦 1000 年ごろの平安時代の物語、清少納言の「枕草子」や紫式部の「源氏物語」では、男女の間で和歌を送るやり取りが頻繁に行われています。中国の詩の白楽天や歴史の史記などからの引用もあります。なにからの引用か分かる知識が必要でした。和歌に使用する和紙の色のセンスまで批評されています。書や楽器が上手な貴族は「素敵」などと高評価です。着物の趣味が悪いと書かれている人もいます。二人が今の時代に生きていたら頻繁にツイッターやブログをアップして辛口な批評を書いていたと思います。

今の時代でも、勉強ができるだけの人を教養がある人とは言いません。勉強ができて、歴史を知っていても、マナーを知らない人は、やはり同様です。教養のためには、芸術に関しての理解も必要です。なかなか教養のハードルは高いことが分かります。

今年もあと僅かです。私は無学無教養ですが、少しでも教養がアップすることを、来年の目標の一つにしようと思っています。2014 年が皆様にとっても、さらに素晴らしい年になることを心よりお祈りいたします。

<余談 1>
落語に銭湯の話が出ますので、江戸情緒を味わおうと、何十年ぶりに銭湯に行きました。ネットで値段を調べました。450 円でした。意外と高い。江戸っ子はなんてったって「一番風呂」です(と言っていました)ので、

15:30 に行きました。ガラガラかと思っていましたが、10 人以上いて結構満員。当然常連さんばかりですので、アウェイ感いっぱいの中で、少し緊張して入ってきました。落語通り意外とお湯が熱かったです。「おあ兄さん?」は、熱くても熱いなんて言わないのが粋です(と言っていました)。楽しい経験でした。また行きます。

今年の(笑)納に、講談を聞きに行きました。なんと 80 人ぐらいいて満席。この講談が始まって以来の最高入場者数だと言っていました。平均年齢は相当高かったです。たぶん僕が一番下。笑いました。「笑う門には福来る」を信じています。

<余談 2>
先月は、「伝説のプレゼン」と言われているジョブズのYouTube をご紹介しました。もう一件年末にふさわしい「伝説のプレゼン」をご紹介します。圧巻です。