人芯経営論 ・・・社員教育の変遷

2014/02/26 浅見 淳一

社員の育成に関する考え方は、時代とともに変化します。その変化は表現される言葉の違いによって知ることができます。近年の社員育成の概念の多くは、他の概念と同様に欧米から伝わります。最近の言葉を含め、変遷を見ていきたいと思います。(独断です)

①Human Resource Management
もっとも広まった言葉・概念ではないでしょうか。HR で社員育成・社員教育を表現している部署や会社は今でもたくさんあります。人材育成と訳されています。社員を会社の資産、利益を上げるための材料としてとらえています。主は会社の業績であり、人が消耗品的なニュアンスも感じられます。

②Human Capital Management
15 年前ぐらいから、見るようになった表現です。Capital は、「主要な、資本の」の意味がありますから、人財育成はこの言葉の訳です。人を会社の財産としてとらえています。 社員の育成は、会社の資産の増加につながります。人が中心の考え方です。「人財」と表現している会社も増えました。

③Talent Management
最近、時々聞くようになった言葉です。Talent は才能と訳されます。仕事に必要な能力を育成します。能力育成はこの言葉の訳でしょうか。仕事が中心の考え方です。 もし適合している社員がいなければ、外部から必要な人の採用や M&A も選択肢になります。競争環境がグローバル化し、スピードが要求されるなか、社員育成に時間がかけられなくなってきました。 人はパーツであり、代替可能な部品です。自己責任(最近あまり聞かなくなりました。一般化したからでしょうか)で自分のキャリアを考える必要があります。

<余談 1>
先月のエッセィに書きました「プロジェクトマネジメント理論編」第二版が、アマゾンで中古 2,822 円でしか買えない件が解消しました。 お騒がせいたしました。もし高い価格で買った方がいたら、申し訳ございません。そして、ありがとうございました。
色々と想像、空想、妄想してしまいました。幾つかをご紹介します。

・最近、出版社の経営が厳しいと聞くし、もしかして…⇒HP で確認しました。
・PMBOK 第五版がまだ出ていないためクレームになった⇒PMP 試験対策は出版済み
・反社会的組織に所属、反社会的活動をしていると認定された⇒少なくとも自覚はない
・影の組織が僕を社会的に抹殺しようとしている⇒そんな大物ではない

結局、原因が思いつかないので、恐々に担当編集者さんにメールしました。

「おそらく品切れ状態になっていると思います。」じぇじぇじぇ(ちょっと古い)、「本が売れない悩みを聞くのに、マーケティングや SCM はどうなっているの」と思いました。予想より売れていることのようです。Thank you!