ペアになっている言葉

2020/06/01 中西 全二

 今回は、人生(特にプロジェクトマネジメント)において、私が意識している3つの「ペアになっている言葉」をご紹介したい。

 「MUST HAVE」と「NICE TO HAVE」
前者は「やるべきこと、必須のこと」という意味、後者は「やらなくてもよいこと」という意味に、私はとらえている。さらに言えば、後者は「やらないこと」という意味でもある。この考えは、スコープを明確にするとき、変更管理をするときに、とても重要であると考えている。
(我が国に多い)積極的で前向きなひとほど、「NICE TO HAVE」を実行しようとし、「MUST HAVE」をおろそかにしてしまう恐れがある。

 「known-unknowns 既知の未知」と「unknown-unknowns未知の未知」
前者は想定できるリスクのことであり、後者は想定できないリスクのことである。リスクマネジメントにおいては、後者に対しても、考慮しておくべきであるというアプローチをしている。(詳しくはPMBOKを参照いただきたい)
「ブラック・スワン」という書籍でも触れられている。
昔々、わが国では、事件が起きた後で、「想定外」と呼んでいたものは「unknown-unknowns未知の未知」であったのであろうか?
それとも、単にあらかじめ備えなかった「known-unknowns 既知の未知」のことなのだろうか?

 「doing」と「not doing」
前者は「(自分の判断で)する」で、後者は「(自分の判断で)しない」という意味に
私はとらえている。するかしないかは自分の判断基準が明確でないと始まらない。
人生において、最も難易度が高いのは、「するかしないかを決めること」ではないだろうか?
話は変わるが、「not doing」は「『しない』という行動をしている」ので、それは、結局は「doing」に含まれてしまうのかもしれない?!

以上の3つの「ペアになっている言葉」で、最近、私は「身の回りに起こっていること」を考えている。