ビッグ・ピクチャー

2006/08/07 香月 秀文

最近よく遭遇する言葉に、ビッグ・ピクチャーがあります。あまり耳慣れない言葉ですが、なかなか重要な意味を持つ言葉です。
最初に出会ったのはある外資系の製薬会社において、英国のコンサルティング会社の依頼で、営業部門の戦略開発を構築したときでした。外国人を含む営業幹部、マーケティング幹部、ブランド・マネジャー、ファイナンスの幹部が参加したセッションで、最初に自分たちのあるべき姿を描くというときに、ビッグ・ピクチャーという言葉が出てきました。最初のセッションで自分たちの現在、5 年後、10 年後を文章ではなく絵で表現するという方法でした。ビジネス・パーソンとして幹部になっている方たちですから、小学校以来手書きで絵を描くという作業はあまりなかったと思います。しかし、手書きで絵を描くという作業は普段使用していない脳の部分を使い,発想から既成概念を取り除くことに有効だったようです。
2 番目にはリチャード・コッチの戦略集中講義の中に出てきます。ビッグ・ピクチャーを「ビジネスや社会を取り巻く全体像」としています。戦略家がビッグ・ピクチャーを理解できなければ、誰が理解できるかというのか?ビッグ・ピクチャーは間違いなくあなたの会社とキャリアに重大な影響を及ぼすと記述しています。
3 番目はミシガン大学ロス・ビジネススクールのクリスティ・ノードハイム教授の「マーケティング・ビッグ・ピクチャー」です。ここでビッグ・ピクチャーは「マーケティングの無数の関連を分析し、解決する際の助けとなるように構成された統合的フレームワークである」としています。
プロジェクトのビッグ・ピクチャーは何かと考えると、プロセスの全体像を明確に映し出すということになるのでしょうか。