よいニュースとある感慨

2014/07/10 中嶋 秀隆

6 月末、実に 30 年ぶりで、ベルギーのフランドル地方にある古都ゲントを再訪した。 最初の訪問は当時勤務していた日本企業で電子部品営業担当の若手ビジネパーソンとしてであった。 ドイツのオフィスの営業担当者に同行し、ゲントの顧客を訪ねたと記憶している。そして今回は、弊社の商材を求めてのことだ。 現地で 3 つのよいニュースに遭遇した。

1)朝、タクシーに乗ると運転手はアルジェリア人であったが、ベルギー時間でその夜のサッカー・ワールド杯では、アルジェリア代表チームもベルギー代表チームも、 それぞれ別の対戦を控えている、とやや興奮気味に話してくれた。どちらも勝つといいね、といって下車した。 偶然にも翌朝も同じ運転手のタクシーに乗せてもらった。ゲームの結果を聞くと、アルジェリア代表もベルギー代表も勝ったという。これがひとつ目のよいニュース。
その日の昼食は商談相手の4人とともにしたが、ベルギー代表チームは 12 年ぶりのワールド杯出場であり、その快進撃を皆が一様に喜んでいる 。同チームが“レッド・デビルズ”の愛称で呼ばれていることを、食事のテーブルで教えてもらった。

2)オランダ人の女性コンサルタントから同社の商品について説明と受けていたときのこと。彼女の携帯電話がなり、妹さんに次男が誕生したというニュースが入った。 帝王切開での出産で案じていたとのことで、喜びもひとしお。これが2つ目のよいニュース。この出産法の呼び方はジュリアス・シーザーに由来するらしいと話した。

3)出張中もバナナのみの朝食を原則にした。街角の八百屋の台に古くなりかけた小さめのバナナ2本を見つけた。 代金を払おうとすると、老店主は「いらない」と繰りかえす。お気持ちをありがたく頂戴した。これが3つ目。
「年たけて来るべしと思ひきや 命なりけり フランドル ゲント」〈盗作まがい〉 おりしも、6 月 28 日は 100 年前に第一次世界大戦が勃発した日に当たる。この大戦で主戦場になったフランドル地域では、 記念式が行われていた。お互いが殺し合っていた当時とは違い、各国の若者が共通のルールのもと、 フェアプレイで戦っていることはすばらしいことだとの見解で、相手方の CEO と一致した。

以上