当社のPMセミナーでは、イントロ部分で「ツルの一声」の説明をする。プロジェクト依頼主(又は重要なステークホルダー)によって、プロジェクトの途中でやり直しを余儀なくされる(ちゃぶ台をひっくり返される)事を表現する。受講者の大半(プロジェクト実行メンバー)の反応は、「そうだそうだ、よく経験する。うちの上司がよくひっくり返す」、などの反応が多い。
小生は最近、シニアーマネジメント層(部課長長層以上)を対象に、同様なセミナーを行なう機会も多い。その場合でも、一般階層(プロジェクト実行メンバー)と同じ反応を示す事が多い。どの階層にもツルは存在し、プロジェクトにとっては大きな障害となっている事を示す。しかし、何かおかしい。突き詰めて考えてみると、「自分がツルであるという意識」、は誰にも無い事になる。逆に考えると、どの階層もツルになる。ツルになりプロジェクトに影響を与えるか、あるいはツルの被害を受けるかは常に表裏一体である事になる。確かに、プロジェクトの実務担当メンバーでもベンダーや外注に対してはツルになり得る。
そこが判れば、話は簡単である。「ツルの振り見て我が振り直せ」をやれば、ツル被害は軽減できる。少なくとも自分以下に対しては・・。
その意味で、少なくとも部長クラスは自分がツルである事を強く自覚して行動すべきである、との認識を促している。プロジェクトへの直接的影響度から言って妥当であると信じる。
あるべきツルの姿は、以前のエッセイ(2007/10/18)を参照頂きたい。
エッセイ
ツルの一声
2007/12/10 酒井 昌昭