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PMリレーエッセイ

 
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    PDFファイル2006年1月〜2006年12月(PDF:200KB)
    PDFファイル2007年1月〜2007年12月(PDF:373KB)

ドラッカー論

  • 日付:2008/8/19
  • 名前:香月 秀文

企業の指導業務に携わっていて 最近久しぶりに ドラッカーの著書に目を通してみた。15年ほど前にオックスフォードでジョージ・デイ教授のストラテジック・マーケティングのコースを終わり ロンドンへ戻ってきくたくたになった体と精神を癒すために1日 ぼーとハイド・パークで寝転がっていました。そのときに、唯一日本から持っていった日本語の書籍が どうゆうわけか ドラッカーの「マネジメント」でした。
1日中芝生の上で寝ていて ぼんやりしていましたが そのとき開いたページに書かれていたのが 「経営者に最も必要なものは 高潔なる品性」とありました。1ヶ月 日本人のいない大学の寮で缶詰になっていて 最初に見た日本語がドラッカーの翻訳の言葉でした。欧米の経営学の権威が理論的な表現ではなくて 精神的なそれも東洋的な表現だったのは それまでがアメリカの最新のマーケティング理論の講義だったので対照的でした。ジョージ・デイ教授は現在ウォートン・ビジネス・スクールの教授ですが その前はハーバードの教授をしていたかと思います。そのときは ハーバードからウォートンへ移る間の期間を利用して ヨーロッパの企業のマーケティング・ディレクターの人たち向けに特別プログラムをオックスフォードのテンプルトン・カレッジで実施しました。わたしも英国の本社(世界最大の酒類メーカー)の命令でアジアから派遣されました。
今回 ドラッカーの遺言を読んでみて あらためて経営者にとってのバイブルということを認識しました。
マーケターにとって必須のコトラーの定量的なアプローチと比べて ドラッカーは定性的な 経営理論でありマーケティング理論と言えます。
マーケティングの常識として物事を定量的観点からと定性的観点から捉えますので コトラー、レビット、ドラッカーは必要となります。
ドラッカーは人間を見るのが好きなようで、自身を経営学者とは呼ばずに 社会生態学者と評しています。
ドラッカーの言葉をいくつか紹介しますと

  • 学習を新しいことに対する一生涯にわたる冒険として、心から受け入れるように
  • 企業の目的は顧客の創造である。したがって企業は2つのそして2つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす、それ以外はすべてコストである。
  • 個ではなく集団として知識労働者の生産性を高くするためには、彼らを単独ではなく、チームに取り入れることが必要になります。専門知識は単独では生産的でなく、他人の知識と統合されることで 初めて有効に働くものだからです。

不心得な了見

  • 日付:2008/7/25
  • 名前:中嶋 秀隆

日本語で出版されている本のなかには、英語からの翻訳になるものが相当数存在し、日本の読者に大きなインパクトをもたらしている。私も、『老人と海』(ヘミングウェイ)、『エリアス随筆』(ラム)といった文学書から、『ビジョナリー・カンパニー』(コリンズ)、『最後の授業』(ランディ・パウシュ)などの経営者まで、翻訳書の恩恵に浴している。翻訳者諸氏には、衷心より感謝を申し上げる。
最近でも、『老人と海』の福田恒存氏や『最後の授業』の矢羽野薫訳の名訳に舌を巻いている。具体的には、次つぎのようなくだりだ。

“Everything about him was old except his eyes and they were the same color as the sea and were cheerful and undefeated.”
「この男に関するかぎり、なにもかも古かった。ただ眼だけがちがう。それは海とおなじ色をたたえ、不屈な生気をみなぎらせていた。」(『老人と海』福田恒存訳)

“The brick walls are there for a reason. They’re not there to keep us out. The brick walls are there to give us a chance to show how badly we want something.”
.「レンガの壁がそこあるのには理由がある。僕たちの行く手を阻むためにあるのではない。その壁の向こうにある「何か」を自分がどれほど真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えているのだ。」(『最後の授業』矢羽野薫訳)

英語から訳された本を読む際、重要なところには傍線や下線を引き、マーカーでハイライトする。それとは別に、気になった訳語に破線を付し、欄外に「レ」とか「Eng」と書きつける。機会があれば原書の英文を調べようというマークだ。翻訳者の努力の跡を偲んでみようという意思表示である。
翻訳の世界で凝った原文の翻訳には、「10人の翻訳者がいれば、10種類の訳文がある」とのことだ。(経済学の世界では、「10人の経済学者がいれば、経済政策は11ある」という。)そこで、ある著名翻訳者がエッセーで説いている。翻訳本の日本語にいぶかしく思うところがあっても、原書の原文にあたってみようなどという「不心得な了見」は起こさないように、と。
しかし、今日、該当する原書をアマゾンで2−3日で入手できるようになり、この新種の愉しみはやめられない。かくして、この「不心得な了見」は、今後も私の読書の一定の位置を占め続けるにちがいない。

ASTD2008世界大会に参加して

  • 日付:2008/6/9
  • 名前:中西 全二

 5月末から6月初旬にかけて米国サンディエゴで開催されたASTD2008世界大会に参加した。目的は、より良いセミナーの提供、トレーニング、コンサルテーション能力の向上である。

そこで強調されていたことは、つぎのことである。

@セミナーは立上げが重要である。
Aセミナーはその目的が明確であることが重要である。
Bセミナーは良く練られたシナリオ(計画)が重要である。
Cセミナーは臨機応変に対応することが重要である。
Dセミナーは効果的なエンディング(終結)が重要である。

セミナー運営は、プロジェクトマネジメントなのである!!

最近、多くの方と話す機会があったが、ビジネスの達人および人生の達人が、実行している方法には共通点があった。
それが、プロジェクトマネジメントであるという大それたことを述べるつもりはない。
ただ、世界中の多くの達人が実行しているベストプラクティスを、ある観点で整理し体系化すれば「プロジェクトマネジメント」と同じようなものになるのは間違いないと確信している。

そうそう、強調されていたことの6番目があった。
Eセミナーはワクワクするものであることが重要である。

ちなみに私たちのセミナーのキーワードは「明るく、楽しく、元気よく」である。



参考:
ASTD (American Society for Training & Development) とは人材開発・職場における学習に関する世界最大規模の組織である。
  http://www.astd.org/astd

職業としてのプロジェクト(その1)

  • 日付:2008/5/14
  • 名前:中嶋 秀隆

はじめに

 プロジェクトを生業としている読者にお尋ねしたい。「あなたは、プロジェクトに向いていると思うか?」と。
 答えは人によって様々だろう。「もちろんだ。プロジェクトこそ天職だと実感している」という人もいるに違いない。しかし、「いや、必ずしも向いていない。社命だからやむなくやっている」という人もいるのではないか。望むらくは、皆さん全員が前者であることを。
 この連載には、やや気取ったタイトルを付けてみた。M.ウエーバーや筑紫哲也氏のような碩学の論には遠く及ばないが、職業としてプロジェクトに取り組むことの意味や背景を考える点からいえば、とんでもない的外れではないかもしれない。
 連載ではまず、向いている職業(や役割)を選ぶプロセスや基準はどんなものかを、企業のドメイン選択と比較しながら、考えよう。そして、人が職業(や役割)に向いているとはどういうことかと取り上げる。それを踏まえ、PMPの中心的な要件である「インテグリティ」と私の最近の関心テーマである「運」に光をあてながら、リーダーの条件やプロジェクト・マネジャーに求められる資質にまで論を広げることをめざしたい。

幼少期の習い事

 読者は少年少女の時代に何か習い事をしただろうか? 教育熱心は我が国のことだから、大半の人がイエスと答えることだろう。そして、自分の子供にも習い事をさせている(させた)、という人も少なくないだろう。
 私が子供のころの習い事の定番は、習字とそろばんであった。「読み書きそろばん」の伝統が背景あったようだ。習字を例に取ると、いたずら小僧が、週に一度習字の先生のお宅に伺い、1時間ほど、和室の畳(に敷いたビニールシート)の上に正座をし、墨をすり、手本を見ながらなにやら文字を書く。終了時にほっぺたや手、服などについ
た墨のあとが歴戦を物語る。手本はひらがなの時もあったが、「温故知新」「白砂青松」といった漢字の熟語の時もあり、意味なんぞは“知らぬが仏”で筆を動かす。こうすることで、いたずら小僧が落ち着きを得られるるのでは、という親心があったかもしれない。
その後、少年少女の習い事のリストには、ピアノやバイオリンが加わり、さらに男の子には野球のリトルリーグや少年サッカー、女の子には、バレーなどが加わる。そして、最近では、テニス、公文式、英語などが広く行われているようだ。
ある時、高校のクラス会で昔の習い事が話題になった。ある女性(往年の少女のひとり)がつぶやいた。「母に言われたのよ。いろんなことをやらせたけど、どれもものにならなかったね、って」
(次回に続きます)

”『プロジェクトマネジメント学会誌』より転載”

ビジネスモデル

  • 日付:2008/5/2
  • 名前:香月 秀文

2007年度から 原油高騰とサブプライム・ローンによる金融機関への打撃と建築申請審査強化による住宅着工件数の激減などの影響を受けて企業のビジネスがダウンしているようです。
このようなときにも生き残ってゆく企業はそのビジネスモデルが適切かまたユニークかということが キーになるかと思います。そのときに必要となるのは脱常識のビジネスモデルかとおもいます。通常米をつくるときは除草剤が必要らしいのですが、自然農法を推進している農家の方は 除草剤を使わずに米をつくることにチャレンジしています。そのときにキーとなるのは土をつくることだそうです。土をつくり堆肥のみで育ててゆくことで ミミズやカエルが浄化機能を発揮するそうです。堆肥は自然なもので鶏糞を中心にカルシュウムを強化したもので三段階ぐらいに分けて蒔いていくことでした。究極のリサイクルは地場の食品スーパーとタイアップして 食物残渣を使用して究極のリサイクルになっているようです。この収穫した米を直接そのスーパーへおろすのでリーズナブルな価格で消費者に提供できると同時に安全な物を提供できるというモデルになっています。土をつくるのに3−5年の手間をかけて作っていくそうです。農家は生産に集中し 販売はスーパーが行うというモデルが上手く機能し 消費者も恩恵を受けるというWIN−WINのモデルになっています。またスーパーは作付け面積で費用を支払い 収穫の変動による農家の収入の不安定を解消するリスクをおって展開しています。
このビジネスを展開しているのは 地方のスーパーで(5−6店舗)でそのユニークな展開が注目されているそうです。小さなスーパーでありながら寿司のコーナーは圧倒的に大きく品揃えも豊富という特長もあるそうです。これも選択と集中のモデルといえます。なんでもあるが本当にほしいものがないということと限定の品揃えであるカテゴリーに関しては圧倒的な品揃え(寿司の例)の例といえます。
トップメーカーが長い間に直面する 何でも作っているがトップブランドのカテゴリーがなくメーカーとしての顔が明確でないときに直面した時に改革として実施する例と同じと言えます。(資生堂メガブランド戦略、松下の改革など)
流通業界もメガ化するなかで 地方スーパーの生き残りのビジネスモデルのヒントになるかといえます。中央集権的な発想から地方分権の発想の例と思われます。

原因究明

  • 日付:2008/4/17
  • 名前:中 憲治

プロジェクトが順調に進んでいるとき、突然のトラブルに遭遇するときがあります。そのような時は、暫定対策を取りあえず打ちますが、トラブルの原因を究明して対策を講じなければそのトラブルは再発に見舞われる確率が多くなります。
トラブルの原因究明の方法は幾種類もありますが、それだけ原因究明は難しいことを表わしているのだと思います。
先日遭遇した身近なトラブルの事例で原因究明の難しさを書いてみます。
私の家には、妻が通勤に主に使用している軽自動車があります。2006年10月に初年度登録しました。
この春で1年半になります。この車は、軽自動車なのに『スマートキーレスシステム』を採用しています。
『スマートキーレスシステム』とは、リモートキーシステムが自動化されたようなもので、自動車キーのボタン操作をしなくても、センサーの作用で、車のドアに近づけば自動的にオープンになり、遠ざかれば自動的にロックされるというものです。
昨年の11月ごろから、『スマートキーレスシステム』が効かなくなりました。この症状は、毎朝一番に使用しようとすると、機能しないのですが、一定の走行後、車から降りるときは機能します。その日の2度目の使用時にも機能します。しかし次の朝にはまた機能しなくなります。
販売会社に問い合わせると、この『スマートキーレスシステム』には、キー側に3Vのボタン電池を使用しており、電池の電圧が低くなると(2.8V程度になると)朝の冷え込みで外気温が下がると電波が飛ばなくなり機能しなくなると返事でした。事実、3月の定期点検時にボタン電池の電圧を測定してみると2.8V程度で、電池交換した後は、『スマートキーレスシステム』は機能するようになりました。
しかし、ボタン電池の電圧が原因だとすると、朝一番だけ機能しないことがわからない、ボタン電池の電圧が回復するとも思えません。この疑問を重ねて尋ねると、それは気温が上がるからでしょうとの返事でした。
しかし、比較的外気温が高い日(10度位の3月の朝)でも『スマートキーレスシステム』が働くなることがあったことから考えると、この説明も納得がいきません。
このトラブルの真の原因は何か?この続きは5月のエッセイに書きますので、読者の皆さんも考えてみてください。

時空を超える

  • 日付:2008/4/4
  • 名前:香月 秀文

今年の春の選抜高校野球は沖縄の高校と埼玉の高校が決勝戦で戦っています。
テクノロジーの発達が従来のパラダイムを変えた例かといえます。インターネットの発達が産業界のパラダイムを変えたように、テクノロジーの発達が、従来は不利といわれた地域のハンディキャップを変えていったようです。
30年ぐらい前までは 北海道の高校や沖縄の高校が優勝したり、ベスト8やベスト4に進出することは考えられませんでした。
時空という単位の空(GEOGRAPHIC)の不利を克服した例といえます。
企業の賞味期限は5年とセス・ゴーディンはいっていますが、企業が変革しながら生き残っていくためには 自分の持っているパラダイムをあえて崩すという勇気が必要なのかもしれません。これをシュンペーターは創造的破壊といっています。
組織の発展にはイノベーションが不可欠
「脱皮できない蛇は死ぬ」
内外の新市場の開拓や組織の発展が、不断に古きものを破壊し、新しきものを創造する。たえず内部から経済構造を革命化する産業の突然変異の過程こそが、まさに資本主義の本質


仏教でいう時空という概念は人間がもっともパラダイムを構成する基本的な要素といえます。
時という概念のパラダイム・シフトが初期のCVSの出現や年功序列人事制度の崩壊ということになります。昔は「亀の甲より年の劫」と長年の経験を貴ぶことが人事制度の基本でしたが 近年はトップマネジメントを選出するのに順送り人事は返って見られなくなりました。年齢と実力が連動してこなくなりました。
日本においてパラダイム・シフトの成功例は世界的に珍しい 幕末から明治維新にかけての変革といえます。日本人はもともとパラダイム・シフトについては得意といえます。ゴールド・ラット博士がゴールの本を出した時に日本語の翻訳を長い間止めていたというのは そのことに気づいていたのかもしれません。

人間の2つの特性

  • 日付:2008/3/19
  • 名前:中西 全二

人間にはつぎの2つの特性があるそうだ。
(命名は中西が勝手にしている)

1.慣性の法則
   第1法則:現在していることはやめられない。
   第2法則:新規にすることは続けられない。
例:タバコはやめられない、日記は続かない

2.近視の法則
   将来のことよりも直近のことに囚われて行動する。
例:将来のための投資(自己啓発等)をせずに、目先のドル買いに走る。

 実は、プロジェクトマネジメントは、上記2つの法則に逆らうものである。
現在、実行している悪しき慣習を止め、実行していないベストプラクティス(プロジェクトマネジメント手法)を新規に取り入れるのだから。
さらに、目先の業務ではなく、プロジェクトの完了まで見渡した計画を立案し、それに沿って作業を実施していくのだから。

 このように考えていくと、なぜ組織がなかなかプロジェクトマネジメントを導入・実践できないのか見えてくる。

★新規にすることを「高いモチベーションで」3ヶ月続け、良き習慣に持っていければ、『慣性の法則』は克服できる。
★将来のことをブレークダウンし、直近の仕事に落とし込めれば、『近視の法則』は克服できる。

再びリスクマネジメントの話題

  • 日付:2008/3/14
  • 名前:中 憲治

リスクマネジメントについての身近な話題で考えてみます。
わたしの温泉は大好きです。地方に仕事で出かけるときも、時間の余裕が有れば、仕事が終わった後、近くの温泉に泊まることを趣味としています。
昨年の暮れにも神戸の仕事が終わった後、時間が取れたので淡路島に行ってみたくて鳴門の渦潮に近い南淡路島の温泉地のホテルに泊まりました。
温泉の付いた観光ホテルは、多くの場合は大浴場[温泉]があり、宿泊者はこれを利用します。以前からこのようなホテルでの遭遇する不愉快なことは、大浴場から出るとき履いてきたスリッパを間違えられることです。
他人の履いたスリッパは水虫の危険性があるからですが、そのようなことを全く考えることもなく、平気で他人のスリッパを履いて帰る客が大変多いことは事実です。
このホテルでもこのような客のクレームが多かったことを考慮して、ある対策を打っていました。
部屋に入るとラベルが用意されており、「スリッパに部屋番号と名前を書いて、スリッパに張ってください」とのことでした。
私は、これは考えているなと感じで、早速ラベルに名前を書いてスリッパに張って大浴場に行きました。
大浴場から出るとき、ラベルの効果のほどを期待しつつスリッパをおいたところに行きましたが、ものの見事私の部屋番号・名前入りのラベルを貼ったスリッパはどこにも見当たりませんでした。
スリッパを間違えられるリスクに対応する予防対策は機能しなかったのです。
リスクはそもそも認知できない人には、どの様な対策も無意味であると再認識させられて落ち込む私の目に飛び込んできたのは、予備のスリッパでした。予備のスリッパ「消毒済みです、ご自由にお使いください」とのメッセージとともに数個のスリッパが用意されていました。
このホテルでは、ラベルという予防対策の効果性に自信がなく、発生時対策を事前に用意していたようです。
このホテルのリスクマネジメントレベルは高いのかなと思わせる出来事でした。

「鉄道博物館」

  • 日付:2008/2/14
  • 名前:中 憲治

 すこし古い話ですが、JR東日本の鉄道博物館に行きました。オープンしてまだ1週間たっていないウイークデーに午前中だけ時間が空いたので、この時とばかり大宮まで足を運んだのです。
混んでいるのかなとの懸念は見事に外れて、オープンの10時の時点で50人程度の待ち行列ができているぐらいでした。しかし、最寄り駅の改札前にある入場口(正規の入場口です)は閉じられており、数百メートル歩かされ、駐車場の中を通る臨時のルートに大きく迂回させられました。
この程度の人で、なぜ、わざわざ迂回させるのか、大きな待ち行列が出来ているのなら、混雑を回避するために、迂回ルートに並ばせることは理解できます。オープン当初の2〜3日はきっと大きな待ち行列が出来たのでしょう。その為に、こんな迂回ルートを作ったのだと考えられます。
お客さんの中には、車椅子の方もいらっしゃいました。駐車場の中を通るルートのため、車椅子はいくつかの段差をこえる必要があります。「何故、正門を開けないの、混んでいないのに、どうしてこんなに迂回させられるの?」車椅子のお客さんは抗議していらっしゃいました。
この迂回ルートは、1時間半後の出場時にもまだ使われていて、正規の入場門はしっかりと閉じられていました。もちろんその時点では、入場待ちの行列はまったく存在していませんでした。
「状況に応じて臨機応変の対応をとる」学習する組織ですと、こんな教訓を残すのでしょうが、鉄道博物館はどうなのでしょうか?興味あります。

コミュニケーションとノイズ(その2)

  • 日付:2008/2/12
  • 名前:中嶋 秀隆

言葉のノイズ

 ビジネス現場のやり取りは、PMBOKのモデル(前回参照)よりもはるかに複雑だ。そして、メッセージに作用するノイズは種類も多く、重層的である。
 経済のグローバル化が進み、日本人ビジネスパーソンが外国人と一緒にプロジェクトを行う機会が以前より各段に増えてきた。それに伴って、日本人同士とは異なる新たなノイズの存在と作用が顕著になってきている。異文化のノイズとして、今回から3つのものを取り上げよう。
 ひとつ目は「言葉のノイズ」だ。国際語として今日もっとも広く使われている言葉は、好むと好まざるとにかかわらず、英語である。わが国の英語のレベルは、お世辞にも立派とはいえない。このために、ビジネスでも、政治でも、文化活動においても、わが国は不利な立場におかれている。今日の世界のやり取りでは、基本構造の相当部分がアングロサクソンによってデザインされ、運営されているからだ。このことは、国際ビジネスの交渉にも、学者の論争にもあてははまる。英語力の増進をさらに進めることが強く望まれる。
 しかし、国際的プロジェクトの現場の経験に即していえば、おすすめしたい手っ取り早い方法がある。それは、自分の英語に完璧を求めずに、多少ずうずうしくとも、英語で自己主張をすることである。日本人の感覚では「ちょっとおしゃべりにすぎる」ーーこれぐらいがちょうどよい。

ミッション

  • 日付:2008/2/8
  • 名前:香月 秀文

企業の危機を救ったので有名なケースで ジョンソン&ジョンソン社のミッションが有名ですが、なかなか明確に理解するのがたいへんです。
ミッションとヴァリューの関係を表した表現を紹介します。

Mission defines the destination, Vision draws the road map.
(ミッションは目的地を明確にし、ヴィジョンはそこへたどり着くマップを表す)
                                  今北 純一

ミッションは その企業ならではの独自性とそこから具体的な展望(ヴィジョン)が導き出されてくるものでなければなたない。
概念自体に独自性はない。この言葉をいくら繰り返しても具体的な戦略には結びつかない。(例 顧客第一主義)
ミッションとは非常にクリアでかつ具体的なゆえに達成するための行動指針が、次々に導き出されてくるようなものでなければならない。
ミッションへ到達するまでのロードマップがヴィジョン。

ミッションの策定
1.ステークホルダー・マッピング
2.それぞれの期待値の分析
3.ステークホルダー間の軋轢を最小限に、要望を最大限に
4.時間軸を組み込んで。会社が目指すべき方向についてシナリオを書く

目的と言う言葉もよく使われますが、これを定義したものを紹介します。

目的とはなにか?

1.目的とは組織の存在意義である
2.目的とは単に事業の内容を述べたものではなく、「なぜ」という問いに答えるものである
3.目的とは顧客の視点に立って、その組織の「真の使命」を明らかにしたものである
4.偉大な組織は深遠で崇高な「目的」 すなはち社員の意欲をかきたて、やる気を起こさせるような「有意義な目的」を持っている
5.表面的な言葉づかいより、そこから人々に伝わる「意味」のほうが重要である

コミュニケーションとノイズ(その1)

  • 日付:2008/1/15
  • 名前:中嶋 秀隆

「コミュニカーションって難しいね」――以前、渥美清がTVのCMで語っていたフレーズだ。PMBOKではこの難しさを「コミュニケーションの基本モデル」という二者のやり取りに、ノイズをからませて説明している。
まず、二者のやり取りの流れは、
○コミュニケーションには、メッセージの送信者と受信者がいる
○コミュニケーションに適切な媒体を選ぶ
というところから始まる。そして、
○Aは送信者として、自分が伝えたい情報を他者が理解できる形に置き換える(コード化する)
○Aはコード化した情報をメッセージとしてBに送る
○Bはメッセージを受信し、意味のある形に戻す(コード化する)
○Bが今度は発信者として、自分が伝えたい情報を他者が理解できる形に置き換える(コード化する)
○Bがコード化した情報をメッセージのフィードバックとしてAに送る
○Aはメッセージを受信し、意味のある形に戻す(コード化する)
というものである。

しかし、現実には、AB間の単純な往復のやり取りにおいても、ノイズ(メッセージの伝達や理解を妨げる要素)が作用する。
その結果、上のやり取りには、以下の下線のようなノイズが作用する。
○Aは送信者として、自分が伝えたい情報を他者が理解できる形に置き換える(コード化する)
○Aはコード化した情報をメッセージとしてBに送る
○Aから送られたメッセージがBに届くプロセスで、ノイズ(メッセージの伝達や理解を妨げる要素)が作用する
○Bはメッセージを受信し、意味のある形に戻す(コード化する)
○Bが今度は発信者として、自分が伝えたい情報を他者が理解できる形に置き換える(コード化する)
○Bがコード化した情報をメッセージのフィードバックとしてAに送る
○Bから送られたメッセージがAに届くプロセスで、ノイズ(メッセージの伝達や理解を妨げる要素)が作用する
○Aはメッセージを受信し、意味のある形に戻す(コード化する)

PMBOKではノイズの例として、「距離」をあげている。たしかに、AB間の距離が遠ければ、それだけメッセージの伝達や理解が難しくなる。しかし、ビジネス現場のやり取りはこれよりもはるかに複雑だ。そして、メッセージに作用するノイズは種類も多く、重層的である。
次回は、海外を巻き込むプロジェクトに焦点をあて、ノイズとしての言葉の違いと、文化や価値観の違いについて見てみよう。

3つの要素の優先順位

  • 日付:2008/1/15
  • 名前:中西 全二

 プロジェクトには3つの制約要素がある。
私たちの研修では
 スコープ・品質
 時間
 資源
と表現している。
 そして、この3つの制約要素間で優先順位を明確にすることが大切である。
例えば、@時間、Aスコープ・品質、B資源 というように。
この優先順位は、いざというときに重要である。
もし時間(納期)を守れない可能性が高いときには、優先順位の低いものを
犠牲にすることになる。そのための判断基準を明確にしているのである。

しかしながら、このシンプルな考え方がなかなかできないのが現状である。
あなたのそばに、つぎのようなプロジェクトマネジャー、経営者はいないだろうか?
緊急事態が発生しているにもかかわらず、いつまでも、「時間もスコープ・品質も資源も厳守しろ」という人物が。

そういえば、クリスマス時期に、そのような人物を見かけたことがある。
「ニンテンドーDSとWIIとプレイステーションが欲しい」とか
「バッグとネックレスと靴が欲しい」とか
もちろん、プロジェクトマネジャーでも経営者でもないが・・・

初心の志

  • 日付:2008/1/11
  • 名前:中 憲治

私の住む守谷市(茨城県)の地は、市街地の南側を利根川が流れ、西側には鬼怒川、北側を小貝川が流れる3つの1級河川にはさまれた自然豊かな地である。
3つの1級河川に挟まれた地であることは、その昔は河川洪水、氾濫に悩まされていた地でもある。このため江戸時代から、氾濫を防ぐ為の河川工事が盛んに行われていた。
その一つに小貝川の岡堰があるが、岡堰には川中にある“中の島”に、樺太探検や、間宮海峡の発見で有名な間宮林蔵の銅像が建っていて、銅像の碑文には、「・・・林蔵翁の精霊、天より下りてこの像に宿り給わんことを・・・」と記されている。
間宮林蔵は、岡堰から西北に2km離れた村で生まれ育ち、13歳の頃、岡堰の改修工事の手伝いをしたが、この時江戸幕府から派遣された役人に見出され、江戸に出て学業を積み、伊能忠敬などの部下として働いた後、樺太探検に携わり、間宮海峡の発見という偉業を成し遂げた(間宮の名前は世界地図に載る唯一の日本人の名である)。
岡堰は、間宮林蔵にとってまさに初心の志をたてた地といえる
今年の元旦の朝、初日の出を見るため岡堰までジョギングした。
毎年の元旦の朝、初日に向かってその年の誓いを立てることにしているが、間宮林蔵の銅像に向かって今年の誓いを立てようとして時、自然と“初心に帰る”言葉が浮かんできたが、それは決して偶然ではない。
まさに、間宮林蔵の精霊が、初心の志を貫くことの大事さを教えてくれたからだと自然に感じた。
今年は干支の第一走者であるネズミ年。今年の誓いは「初心の志」にもう一度立ち返ることした。今一度、起業時の初心の志に立ち返り、ビジネス目標を設定することにしたのである。

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